15滴 ページ16
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レオに私が死ぬことを伝えた翌日、同じことをセナさんに伝える。
『だからセナさんも、私のこと忘れてください』
「は?何言って……」
『お願いします』
私は笑顔を浮かべながらセナさんにそう言うとセナさんは苦しそうな表情をしてから、ため息を一つついて後ろ髪をかきながら
「はぁ、分かったよ」
渋々といった形で了承してくれた。
『ありがとうございます』
「別に」
そっぽを向きながらそう言うセナさん。そして授業が始まると教室に足を進めようとしたとき、私の方を向いて
「アンタはそれでいいわけ?」
『ぇ……?』
「なんでもない。じゃあねぇ」
セナさんは手を振って校内へ入っていってしまった。そんなセナさんに対して私はセナさんに言われた言葉を思い出す。
"アンタはそれでいいわけ?”
そんなの、いいわけないじゃん。だけど、これの他に方法が思いつかなかったんだから。
なんて誰かに言い訳をするように心の中で言葉を並べる。
レオの顔を思い出すと、視界が滲んだ。
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作者名:ぽぽ | 作成日時:2021年1月30日 12時