片桐の場合 ページ21
開久の校門を出てすぐの路地裏で数人の男に囲まれるAの姿を片桐が見たのは偶然の事だった
暗がりの一番奥にいる男がAの華奢な腕をがっしりと掴んでいるのを見てカッと頭に血が上った片桐は勢いよく手前にいた男を殴り飛ばした
片桐は、なんだテメェ！！と騒ぎ立てる他の男たちを無視して、Aの腕を掴む男をギロりと睨んだ
Aは突然の片桐の登場に、不安と安堵の入り交じった表情を彼に向けていた
｢人の女にふざけたことしてんじゃねぇよ｣
地を這うような低い声にその場にいた男達が震え上がる
｢あ、アイツは開久の頭の片桐！！｣
｢ﾋｨｯ！お、俺はまだ死にたくねぇ！！｣
バタバタと走り去っていく男達の中で、Aの腕を掴む男だけが未だぶるぶるとみっともなく震え、動かなかった
いや、片桐の射殺すような視線に動くことが出来なかったのだ。
逃げた男達の顔と制服をしっかりと脳裏に刻みつけた片桐はゆっくりと震える男に近づいた
｢お前、いつまで掴んでんだ｣
言われた言葉を理解できなかった男の口から空気に近い音が零れた
次の瞬間、鈍い音がしてAの手から男の手が離れた
｢いつまでテメェの汚ねぇ手で俺の女に触れてんだって聞いてんだよｺﾗｧ！！！｣
｢あ、あ、う、腕がぁぁぁ｣
片桐はじたばたとのたうち回る男にちらっと視線を投げてから、すぐAの顔を見た
それまで目を丸くして様子を見守っていたAは片桐の力強い瞳と視線が交わると安心して、我慢していたものが目から溢れ出した
『さ、智司ぃぃ…怖かったよぉぉ』
｢ああ｣
ぐっと抱きついてきたAの背に腕を回しながら、Aの頬が少し腫れているのに気付いた片桐は地面に転がる男に対してふつふつと怒りが込み上げるのを感じていた
｢とりあえず開久行くぞ｣
こくりと頷いたAを腕の上に座るように片腕で抱き上げた
もう片手には未だ呻く男の襟首を掴んで引きずりながら開久に向かう
片桐は、ぎゅっと首に腕を回したAの頬にキスを落とした
.
男を適当な部屋に放り込んで、Aを抱えたまま片桐は中庭のソファに腰を下ろした
Aを迎えに軟葉高校に出向いたはずの自分たちの頭が数分も経たないうちにAを抱き上げて戻ってきたことに下っ端達はざわざわしている
察した相良が近づいてきて片桐に耳打ちする
｢どこのどいつだ｣
手短に顔と制服の特徴を相良に伝える片桐
｢あいつはどーすんだよ｣
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pico(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエスト了解致しました！少々お時間下さい。 (2019年1月1日 22時) (
レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで夢主と片桐が相良様を騙してるのが見たいです(騙された大賞みたいな感じで) (2019年1月1日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» 了解致しました！両方書かせていただきますね!!期待せずにお待ちください！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - picoさん» はい！！忙しければ片方で大丈夫です！ (2018年12月28日 15時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» リクエストありがとうございますー！それは片桐さんのお話と相良さんのお話をそれぞれ1話ずつ、ということでいいんでしょうか…？ (2018年12月28日 13時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pico | 作成日時：2018年11月20日 23時
