今井の場合 ページ20
今井の後ろに角材を持った男が静かに忍び寄ってその手を振り上げたのを見た瞬間、Aの体は勝手に動き出していた
｢Aさん！！｣
頭から血を垂れ流すAに気づいた今井が叫んだ
『痛い…』
｢大丈夫ですか、Aさん！！！｣
襲ってきた相手をそっちのけでAのふらついた体を抱きとめた今井
『あー、今井くん、まだいっぱい敵さんいるから…』
｢…じゃあ、ちょっと待ってて下さいAさん｣
すぐ済ませます、と言って優しくAの体を壁に寄りかからせた今井は、打って変わって鬼のような表情で周りを取り囲む男達を睨んだ
｢テメェらAさんに傷作ったんだ、覚悟は出来てんだろうな。｣
.
｢ﾊｧﾊｧ…すみませんAさん、ちょっと時間かかっちまいました｣
『いや、あれだけの人数相手にしたんだから頑張った方だよ、お疲れ様』
苦笑いしながらAがそう言えば、今井も安心したように笑った
そして次の瞬間、Aの体を軽々と横抱きにした
『わっ！な、何するの今井くん！』
｢俺をせいで怪我したAさんを歩かせるのは俺のプライドが許さねぇ｣
初めはじたばたと抵抗していたAだったが、そんなセリフを言って照れたのか、耳が赤くなっている今井を見て抵抗する気が失せてしまった
｢なんで俺を庇ったんですか｣
夕焼けを背に田んぼ沿いを歩く途中で不意に今井が口を開いた
『そりゃあ、今井くんが殴られそうになってたからだよ』
｢俺は自分が殴られるよりAさんが殴られる方がよっぽど痛てぇ｣
『私も今井くんが殴られるの見るの好きじゃないもん』
｢…すみません｣
当回しに苦言を呈した今井に、Aはじっと目を見て仕返しの言葉を放った
普段からよく喧嘩をして怪我をする今井には反論の余地はなく、しゅんと項垂れたように謝罪の意を表明した
『今井くんが怪我した時の私の気持ち、分かってくれた？』
｢…はい｣
『ふふ、そんなに落ち込まないで？別に喧嘩をやめろって言ってるわけじゃないし、それに今井くんが自分で喧嘩をふっかけてるわけじゃないのも知ってる』
その言葉でぱあっと明るい顔になった今井はぶんぶんと首を縦に振って嬉しそうに笑った
『あー、なんかいろいろあって疲れたし喉乾いたなあ』
｢じゃ、じゃあ、これから喫茶店にでも行きますか！？｣
『あー、えっと…うん、その前にね今井くん、
…病院、行こっか。』
パタッと意識を失ったA
間を置かずに今井の悲鳴が響き渡った
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pico(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエスト了解致しました！少々お時間下さい。 (2019年1月1日 22時) (
レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで夢主と片桐が相良様を騙してるのが見たいです(騙された大賞みたいな感じで) (2019年1月1日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» 了解致しました！両方書かせていただきますね!!期待せずにお待ちください！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - picoさん» はい！！忙しければ片方で大丈夫です！ (2018年12月28日 15時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» リクエストありがとうございますー！それは片桐さんのお話と相良さんのお話をそれぞれ1話ずつ、ということでいいんでしょうか…？ (2018年12月28日 13時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pico | 作成日時：2018年11月20日 23時
