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(ここ、私の家だった所だ……)
寝室の位置からして、そう読み取ったのは後からではなかった。しかし、この暗い空間じゃ目が利かない。
そうやって目を堪えていると口が塞がれる。
「っん、……」
「……っん…」
深くなる口がだんだんと理性を壊していく。息がもたなくなって胸板を押す。
「っ……け、んま」
名前を呼ぶと、離す唇がもう恋しくなる。
(やばい……重症だ。)
真っ白の頭の中では語彙力を失ったような言葉しか浮かばない。気づけば、私はベットの上にいて、研磨がおい被さっている。
(知ってる、私は子供じゃない)
「……いいの」
「……なんで?」
「……今、酷いことしてる」
「……してない。研磨なら酷いことじゃない。私、触れられたいって思ってる。」
そっと頬を触る、研磨が優しく唇を指で拭う。そして、服のリボンがしゅるりと解け、ボタンに手を掛けられて、明かされる。
素肌が指先で撫でられる。
「ぁ、……っ…や、…」
頬を触っていた手がいつの間にか研磨の服を握っていた。研磨はそのまま首に顔を寄せ、首筋に熱を送る。そして、ゆっくりと離れる。
「っ……自暴自棄みたいになって、ごめん……
これじゃ……Aを壊してる、みたいだ」
研磨が熱を送った部分を触りながら言う。
(そんなことない幸せを思ったのは私だ、それに………)
「欲をほしがったのは私だよ……研磨」
私はグイッと肩を引き寄せ、口を奪う。そしてまた、だんだん深くなって何度も角度を変える。
「……っ、はぁ……っん、」
(私の方が……自暴自棄みたいだよ。でも五年間会えなかった代わりに、もう少しだけ許して)
そうしていくうちに深い夜が過ぎていった。
_____
日が差していくのを感じ、重い瞼を開ける。
「……起きた?」
上から声がして顔を上げると、研磨が朝日に照らされて微かに微笑む。
「うん、でもまだ眠い。寝てたい」
まだ頭はぼーっとしている。
(……正直、研磨とまだ居たいだけなんだよなぁ…。)
そっと繋がれてる手を握り返す。さっきまであれほどシーツの下で触れていたのにも関わらず、まだ一緒に居たい、まだ素を感じてたいと思う。
「……もう一度、寝ても構わないけど。」
「じゃあ、寝る。研磨と居られるなら。」
「なにそれ。」
優しく笑われ、額にキスをする研磨。一瞬固まるけど私も返すようにキスをしてまた深い眠りに落ちた
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作者名:ユーナ | 作者ホームページ:yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp
作成日時:2017年8月30日 13時