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放課後になった。
先生には私が転校することを言わないで。と伝えていた。




「少しだけ部活覗かせて?」




「その"少し"がいつも長いよねAは。」




「そう、…だっけ?」




(私、そんなに居た?いやいや__)


この3ヶ月は何度か部活にお邪魔していた。でも、長く居たようには感じていなく、私は指を顎に当て、首を傾げる。




「行くよ。」




「えっ、待って!」




私が考えているうちに研磨は、いつの間にか廊下に出ていて、私は小走りで研磨に追いつくように走った。




____




「やっぱり大きいね。」




「どうしたの?」




私が言った言葉に研磨が反応する。




「皆の背丈とか、あのネットとか……もう、間近で見れないから、そう言っただけ。」




私は研磨に向かって静かに笑った。


(もう、会えなくなってしまうのを悟ってほしくないのに、これじゃあ、自ら悟ってほしいと言っているみたいじゃん。)




「A__」




「私、バレー部全員の雰囲気、好き。……きっと、帰る時忘れてしまうけれど、……今の私は皆のこと好きだから。この記憶も全部。」




研磨に名前を呼ばれるけれど私は無視して、歪む視界に耐えながら、流れるだけの言葉を言った。そして、告げる。




「さようなら。………研磨」




私は、そのまま言い捨てて走り出した。


(心が今になって気付くのが遅いだなんて分かってる。でも"帰りたくない"と叫んでいる。)


しかし、それは叶うことは無い。これが、過酷な運命なんだろう。




「Aっ!」




研磨が私の名前を呼んで、強く手首を掴む。
私は足を止めるけど、顔を振り向けなかった。




「今のどういうこと」




「なん、でもない、よ?」




(そうだ。研磨には関係ないんだ。このまま何も無かったことにしよう。)




「そんな訳ない。"さようなら"って何。期限なら、あと2ヶ月あるでしょ」




「……2ヶ月あるよ?でもね、私は皆のことを忘れてしまう。そして、研磨たち皆もきっと私のことを忘れてしまう。だから、居なくなった方がいいよ。」




言いたくない言葉を研磨に言う。それに胸が苦しむのを感じた。




「まだ、忘れるって決まった訳じゃない。」




「そうだけど、私はこの世界にとって居てはいけない人なの。……だから、これが最後。」




私は振り向きながら研磨の手を解いて、握った。




「研磨は、私の光だよ。」




一筋の涙が流れた。

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作者名:ユーナ | 作者ホームページ:yuna187.tobio912-8h1i9q@docomo.ne.jp  
作成日時:2017年8月30日 13時

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