姉と比べないで｡【文スト】【ヒロアカ】 (ページ36)

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Episode，thirty one ページ36

Aは太宰に銃の扱いを教わっていた。

｢よし、じゃあ最初は銃を使う練習をするよ。｣

そう云って幾つか銃が入った箱(ケース)を取り出し、中身を見せる。

｢Aちゃんは銃を見るのは初めてかな…？きっと触るのも初めてだよね。｣

｢う、うん。見るのも、触るのも、初めてだよ。｣

｢うふふ、そうだよね。初心者に扱いやすい銃は……。これかな？｣

太宰は箱から回転式拳銃(リボルバー)を取り出す。

｢これの方がいいかな。はい、Aちゃん。これ持って撃ってみて。｣

太宰はAに回転式拳銃を渡す。

その銃は持つとずっしり重く、Aはとても持ち上げられそうになかった。

それを見た太宰は、｢Aちゃん。そのままでは銃を持つどころか、何もする事が出来ない。一旦銃を使う練習は辞めて、筋肉をつけよう。｣と云った。

｢え、でも…。｣

｢Aちゃん。みんなを護りたいんじゃないのかい？｣

｢そう、だけど。｣

｢Aちゃんは十分な食事等をしていなかったから、身体に栄養がいってないんだ。だからAちゃんの身体は細いんだよ。｣

｢ちゃんとご飯食べてるよ？ちゃんと寝てるし、規則正しい生活はちゃんとしてるよ。｣

｢Aちゃんはそうは思っても、他の人から見たらそうじゃないんだよ。本当にこのままだと何もできないし、誰一人として護る事ができない。寧ろAちゃんがみんなに護られることになるよ。｣

｢それは嫌だ！｣

｢嫌だろう？だったらやるしかないんだ。｣

Aは俯きながら、｢わ、わかった。やる。｣と応える。

今ここで強くなって、みんなを護りたいAは、何も出来ず、銃を撃つことが出来ないのが悔しくて仕方なかった。

それを見た太宰は、｢私は生憎そういう専門じゃあないからね。｣と。

太宰はAの手をとって、｢一週間、中也のところで特訓して、私の所へ戻っておいで。そのときにまた確かめてあげるから。｣

そう云うと、Aはやる気に満ちた顔をして、｢私、頑張ってくるから！中也さんのところで特訓して、一週間後戻ってくるから！楽しみにしててね！！｣と、太宰の手を離し扉を開けて中也のところに向かう。

太宰はAが出ていった扉を見て、小さな声で｢ほんと、元気な子だよね。｣と、一寸呆れたような顔をしていた。