なのに、目黒くんが甘すぎる。 (ページ29)

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〉定期ページ29

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『そういえば、どうして目黒くん私の使ってる駅わかったの？』

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“〇〇駅〜お乗り換えの方は〜……”

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ぱさっ

電車の揺れに寝そうになっていると

俺の足元に落ちてきた定期。

目「落ちまし……」

『……Zzz』

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿こてっ

俺の肩に寄りかかって

気持ちよさそうに眠る彼女を、

俺はなぜか起こせなかった……

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目「夏くらいに、たまたまAさんの定期拾った」

『そうだったんだ！ありがとう！！』

そんな前に目黒くんと会ったことがあったんだ……

って、こんなことで嬉しがってちゃダメだ。

ドキドキするの禁止中なのに！！！

目「この辺り、のどかなところだね。こういう空いいよね」

『うん、私も好き〜』

目「たまに陸上大会前に怖くて、足の震えが止まらなくなったりして…ちょうど、こんな夜明け前の空をイメージして精神統一したりしてた」

あぁ、個人競技は

孤独との戦いなんだろうな…………

『私が選手だったら怖くて棄権しちゃうかも。目黒くんはやめたくなったりしたこともある？』

目「一度もない。好きだから。走るの」

そうだよね

無理やり止められない

止められるわけない

好きなままでいい

私、

どこまでも目黒くんを好きでいたい

ずっとずっと

片想いでいい＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

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