1話 ページ3
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あれから数ヶ月が経ち、私は今の世界に馴染んできていた。
最初は文化の違いや金銭的なことで困ったが、何とかやっていけている。
今日はどこに行こうかと考えながら玄関へ行くと、ポストになにか入っていた。
「なにこれ？……黒い封筒？」
警戒しながら開けてみると、真っ黒いカードと文字が書かれた紙が入っていた。
…読めない。
ここの世界は不思議な事だらけだ。
会話には何不自由ないのに文字は読めない。
とりあえず、紙に書いてあった地図のところへ行こうと思い、準備をして外に出た。
歩きながら封筒や紙、カードを見るが、やはり何も分からない。
文字の勉強しないと…。
「…これ、本当に私宛てなのかな？」
？「そう、その黒い封筒は君への招待状だ。ようやく会えたな、早希。」
「ッ！…はい？」
私の前に一人の男が立っており、私の名を読んだ。
その目はどこか暖かく、私を深く知る人物のようだ。
もしかしたら、私のオリジンを知っているのかと期待に胸が膨らむが、同時に警戒心も抱いた。
「…どなたでしょう？」
ケイ「俺のことは、どうかケイと呼んでくれ。君を迎えに来た。」
「……これは、あなたが私に？」
そう言って封筒を見せれば、否定も肯定もせずただ私を見つめていた。
敵意はなさそうだけど…。
ケイ「君が俺を警戒するのもむべなるかな。今は無理強いもできまい。いつでも俺の元に来るがいい。いつでも君を迎えよう＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿では、また後で。」
「…“また後で”か。ふふ、私とまた会うと確信してるみたい。」
そう呟いてしばらく歩いていると、2人組みと女性が私に接触しようとしてきた。
敵意を感じ、避けて路地裏に逃げ込む。
女「おい待て！逃げるな！」
女「ちょっとなにやってんのバカ！絶対に逃がさないで！」
「ふむ……。」
壁や障害物を上手く利用して路地裏を抜け、大通りに出た。
まだ追いかけてきている感じがする……どこかに隠れようか。
近くに階段があったため、そこの影に隠れようとそこへ近づく。
ケイ「だから言っただろう。君は俺の元に来ると。」
「あなたは…！まるで私がこうなるとわかっていたみたいですね？そして、あなたは私が置かれている状況を理解させたかった、と。」
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作者名：七瀬 | 作成日時：2023年9月28日 6時
