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5話 ページ7

”桜井が飛び降りた。”

色々な泥沼を見てきた私でも驚いた。
そして、その趣旨も理解した。

”私の信用をなくそうとしている”

ドタバタして、クラスメートが近付いてくる音がする中、私は考える。

私は悪を隠してきた。
あれ?このままだと濡れ衣着せられて本当に悪だよ?

「何だ今の!」
「結愛ちゃん!」


あれ?隠す意味、ないよね?
あれ?なんのために偽善者やってきたの?

カラン、と何かが音を立てて落ちる音がした。
今まで笑顔で塗り固められていた自分の仮面と気付くのには時間がかからなかった。

「あれ!闇斎!」
「どうしたんだ!」
「何があったの!」

クラスメートがここに到着したようだ。
私は他の顔を作る。

『桜井さんがッ!桜井さんが!窓からっ!』

私は泣き崩れる。
この位余裕だ。

今は録画している。この声も全て、残っているのだ。慎重に、良い子を演じる。

『桜井さんはっ!桜井さん、下に落ちてっ!私ハッ!何もっ!』

すると、誰かが背中をさすってくれた。
誰かが一階に向かって駆け出す。

すると、一階に居た誰かがその人と入れ違うように入ってきた。

肩で息をして、その蒼白な顔がそれを物語らせる。
アイツ、死んだのか?

「結愛は大丈夫。木の上に落ちて、今は保健室よ。たいした怪我も無し。」

その場に安堵の空気が広がる。
ふぅん。やるじゃん。そこまで計算済みなんて。

「でも____。」

そして、私に近付いてくる___梅月だったかな。
当ててやるよ、次の台詞。

”「桜井さん、Aちゃんに押されて落ちた、だって」”

はい、正解。ですよね。
すると、背中をさすってくれていた手が止まる。

鋭い視線が私を突き刺す。

『え……?』

そう。私は何も知らない、純粋なやつを演じる。
涙目で、ね。

『やってないわ___!だって、私』
「最低」

誰かが呟いた。
全員が敵なのだろう。この中の。

「何やってんのよ!結愛になんかあったら如何すんの!」
「闇斎!最低だなお前!」

次々に始まる罵倒。
へぇ。上等じゃん。

このクラス、堕としてやる!

仮面を捨てたサイコパスは人知れず妖しく嗤った。

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マナ - 綾部伊沙さん» 夢主が録画した内容はどのタイミングで聞かせるのでしょうか? (2022年5月29日 20時) (レス) @page8 id: 3a1f179aac (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 綾部伊沙さん» 親友は本作の主人公の味方にできますでしょうか? (2022年5月21日 16時) (レス) @page6 id: 3a1f179aac (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 本作の主人公の親友は本作の主人公の味方に付けることはできますでしょうか? (2022年5月18日 20時) (レス) id: 3a1f179aac (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 名前固定の方が読みやすい… (2022年5月17日 22時) (レス) id: 3a1f179aac (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - マナさん» アッ さっきのURLとこの作品、コピペしてるだけなんで一門一句同じです……… 全く内容同じなんでそっちを是非…… そっちを評価してくれたらうれしいです……! (2022年5月17日 21時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/  
作成日時:2022年5月17日 17時

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