今日も社畜は探偵社で叫ぶ

・ ページ12

「んっ！」

中原中也は休みなく攻撃を仕掛けてくる。
蹴り、殴り、刺し、近距離銃撃とレパートリーは豊富で、防御しては反撃しての繰り返しだ。

Aは超・近距離で先程のヤクの男から奪った銃を放った。
中原は避け、避けざまに重い拳を降りからせる。

Aは腕で攻撃を受け、もう片方の腕で腹辺りを狙う。
Aは、どちらかというと殴りよりも蹴りの方が威力が強い。と言うか、腕っ節が弱いだけとも言うことが出来るだろう。

中原はAの攻撃を避けきれずにくらったが、本気の殴りだったにもかかわらず体感は全然ぶれない。

こいつと接触してから、ゆうに10分は経過している。
日頃デスクに座っているので以前に比べて体力が格段に落ちているのが分かる。
肺と脇腹がが痛い。

多分、こいつの異能力発動の条件は”対象に触る”ことだ。

つまり、触られたら自分の重力を操作されて床に貼り付けにされてエンド！

と言うのが、10分の戦いを経て立てたAの考察だった。
一番最初、銃弾の重力を操ったのか………嗚呼、撃つときじゃなくて撃つ前に触ったんだな、多分。

そんなことを思いながら、”彼と距離をとる”作戦に乗り換える。


「【異能力】怪談…！」

Aによって、黒くモヤモヤした、煙のような物が手に集まっていく。
”触りたくない”そう本能的に感じる物だ。
正体は、＿＿いや、これ以上話すと吐く人が出てくるからやめておこう。




チーン


背後のエレベーターが15階に到着する音がした。
不味いっ！
そう思っても、異能力を一度発動させたらそんなに直ぐに解除できるわけではなくて。

ドアが開いた。
そこに乗っていたのは＿＿。

「Aちゃ……ってきゃっ！」

ドレスに身を包んだ、望月愛里咲。
大量の貢ぎ物の花束やらなんやらを手にしている。

そして、そこに躊躇いなく銃弾を中原中也が撃ち込んだ！
Aの横を通過し、望月の脳天目がけて一寸のずれもなく進んでいく。

「っ！」

Aは思い切り望月の肩を押した。
狙いはずれ、脳天という行き場を失った銃弾はAの肩に刺さる。

バランスを崩した望月の手から花束が落ち、床に広がった。
花の上にAの血が広がっていく。

「望月さん先に社に帰ってて下さい！」

Aはそう叫びエレベーターの釦を死ぬ気で押す。
望月の異能力があれば場をまとめるのはたやすいかも知れないが、彼女に怪我をさせたら社内でまたブーイングが始まるのでそんなことは出来なかった。
＿＿＿
四話書いてたのに風呂入ってたら消えた😞

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