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「……………」

ガチャガチャと壊れんばかりの勢いでなるパソコン。
デスクの下で動く、鶴を折る足。
某羽が生えるドリンクを飲み干す口。
零時を告げる時計の部屋には、人っ子一人いない。


あの後、望月に仕事をまるまる押し付けられたAは腹いせに暖房をガンガンにつけながら窓を開け、電気を全ての部屋につけていた。

まぁ要するに武装探偵社への嫌がらせだ。

「A………って折り鶴増えたな」

聡司が、フワフワと現れた。
その手には書類が握られていた。

__彼は月夜のみ、物に触れられる。

聡司の目線は、散乱する足で器用におられた鶴に向けられる。
脱がれた靴下に靴、散乱する折り紙が入っていたであろう袋、普通の人が手で折るより遙かに上手な色とりどりの鶴。

「流石A。こいつら(書類共)、誤字はなかった。アラサー共と望月のデスクに置いとくよ」
「嗚呼…………。頼む。」

気力のない声を出し前髪を上げるA。
目に髪とブルーライトと光が入り、たまりかねたのだ。

どうせ、もうこんな時間に誰も来ない。
自分はどうせ機械なのだ。女優やりたてだった頃がきっと一番楽しかった。


「クソ………帰りたい……寝たい………もうやだ頭痛い…………三徹なる…………」

そこまで言ってタバコをふかすA。
禁煙?バレなきゃ問題ねー。

そこでパソコンを打つ手が止まった。
ヤベえ。マジで落ちそう。死ぬ。ヤバイ。

と、Aは何を思ったのかタバコの火を自身の手に押し付ける。

「ツッ……!」
「は!?おい馬鹿何してんのA!気を確かに!」
「いいんだ聡司。今ので眠気が覚めた。」

赤くなったAの外国人特有の白い肌を見て聡司は袋に入れた氷をあてる。
コーヒーに入れるあれだ。

「阿呆か。後残るだろが馬鹿」
「ものすごいけなされてる私」

とか言いながら欠をする。相当血迷っている。

後三枚…………グラフ作って比率出してまとめたら終わりだ……………。
一時を告げる音楽が流れ、舌打ちをする。
この間にも望月はすやすやと人の気も知らずに、人の苦労も知らずに寝ているのだろうか。

「A、ここ計算ミスってね?」
「危ねー」




ゆっくりと、夜は明けていく。

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幸日和(プロフ) - こちらこそ楽しかったです。ありがとうございました! (2023年3月13日 22時) (レス) id: 83457a8bdf (このIDを非表示/違反報告)
綾部伊沙(プロフ) - 幸日和さん» 遅れてすみません ……!? 矢張り何回見ても凄いですね…!ユカちゃんまで下さるなんて…!(可愛い) 間の美人………そんな解釈もあったとは……そこまで考えてなかった笑 更新させていただきますね! 本当にありがとうございました! (2023年3月10日 18時) (レス) id: b1825981c0 (このIDを非表示/違反報告)
幸日和(プロフ) - 私的に夢主様は与謝野先生よりのナオミちゃんと与謝野先生の間の美人(?)という認識があるので,与謝野さんの公式のたち絵画像から模写した風になっているところもありますがご了承下さい。。 (2023年3月9日 0時) (レス) id: 83457a8bdf (このIDを非表示/違反報告)
幸日和(プロフ) - こちらがURLです。 (2023年3月8日 23時) (レス) id: 83457a8bdf (このIDを非表示/違反報告)
幸日和(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/1/a/2/1a2e1a3dac63fbae72c9e7b8c0b55331.jpg (2023年3月8日 23時) (レス) id: 83457a8bdf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綾部伊沙 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/e8e9c819a37/  
作成日時:2022年11月9日 22時

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