今日も社畜は探偵社で嗤う

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「頑張れ〜！」「書類、ミスは無いよ〜」
「コーヒー置いとくねー」「‡ºª‡¶、これ折れる？」「よっ、折り紙の天才！」「‡ºª‡¶、酒飲み行こーぜ」「うわ、もう日本酒開けやがった」

彼の声だ。
よく聞こえないけど、きっと私のことを呼んでいる。

＿＿唯一彼が読んでくれた、私の名前は何？

バアン！
ヒビを大量に入れていた中学校3年E組の教室その空間が限界を迎え、跡形もなく割れて無くなった。
窓の外の景色も、写真を破ったみたいに割れて全て無くなる。

何処も彼処も真っ黒。音も無いし、景色も永遠に変わらないだろう。不純物ゼロ。自分の手元も目の限界まで近づけてもよく見えない。

急に視界を奪われた不安と暗闇への恐怖心が体を襲ってくる。
町を歩いて帰るときだって、こんなに暗くなかった。

頭が痛くて、視界がゼロで、自然と涙が滴り落ちてきた。暗闇に座り込むと、固いようなフワフワしたような気持ちの悪い感触がする。

怖くて寂しくて苦しくて、なのに誰にも、自分でも助けられない。どうにも出来ない。

Aは思った。
もしかしたら、もう自分は死ぬ直前なんじゃないか？
この空間はよく考えたら現実なんて物の訳じゃないだろう？

「恵まれないなぁ………。」

そこまで呟いて考える。
何が恵まれない？何のことを言っている？
私は今まで何をしていた？私は誰？

ぐわんぐわんと目も回ってきた。胃酸がこみ上げてくる感覚がする。
きゅう、っと意識が遠退いていきそうなのに、そのまま意識はとどまっている。

彼は誰だ私は誰だここは何だ

こんな状況でもまだ渋とく考えていた。

考えると、彼との記憶が段々とよみがえってくる。
”‡ºª‡¶、お疲れ様。”‡ºª‡¶、そろそろ倒んぞ。こっちのプランの方がタブン楽。”

カツ、カツと誰かが寄ってきている。
怖い。恐ろしい。
だけど、考えるのに夢中で動けない。

”まって‡ºª‡¶、∅⇒⇔∅⊗が来た！”

嫌いなあいつは誰だったんだろう。
何で嫌いだったのか思い出せない。

”タバコこれ俺好きなんだよね。”
”この酒高い癖にクソ不味いわ。度数ひっくいし”
”このテーマパーク行ってみたいなぁ〜。”
”そーいや昔ポケモンって渾名だったわ俺”

こんなによくしてくれたのに、分からない。
お世話になった友達なのに、如何しても分からない。

彼は、私は＿＿。

＿＿＿私は貴方、貴方は私。私達は小泉A。

カツ、カツ。

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