今日も社畜は探偵社で嗤う

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「小泉さん！」

Aは甲高い声に若干の頭痛を感じながらはい、と隠しきれない気だるい声で返事をする。

「ダメだよ！社長からせっかく指名されたのに断るなんて！世の中やりたいことだけじゃダメなんだよ！」

え、それ自分に言ってます？そう思わずにはいられないAを知ってか知らずか指で胸の前でバツ印を作り頬を膨らませこちらを見る望月。

うずまき行ってぺちゃくちゃと喋り散らかし挙げ句の果てには人に仕事を押し付け定時で帰るのはあなたでは無いとでも言うのか？

その瞬間、左腕が負けた。内ポケットの拳銃に右腕が届く。その指は引き金を引こうと空を虚しく掴む。

やめろやめろやめろ。

自分に言い聞かせる。幸いまだ取り出してはいない。今止めれば多重人格が戦っているような奇妙な状況が完成するのみで問題は無い。
少なくとも人殺しにはならない。

「おい止めろA！」

今日は三日月ではない。よって月は出ておらず聡司の半透明の手は物を掴みきれずに空を握る。

「小泉さんはわがまますぎるよ！その位やりなよ！」

Aの手が素早く動いた。その動きは誰の目にも追えない。

ばあん！


効果音が響く。



















「……………」

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