【短編集】少しの幸せを貴方に【2j3j】 (ページ41)

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絶対泣くと思ったから昨日は放課後に会いに行かなかった

消えていく君を見たくなかった

泣いている姿なんて情けなくて見せられない

最初から守る気なんてない約束をして、もう誰にも関わりたくないと言うAを説得して、

もうこの世(ここ)に居ないことは分かっていても、どうしてもそばにいたかった

誰もいないと分かっていても、少しの期待を抱えていつもの階段を上る

虚しくも、僕に向かって微笑む笑顔はなかった

ただ、そこに1冊の本が置かれている

本当は忘れてほしくないんでしょ？

最期まで君は強がりだ

今日は僕がここにいる君を見つけて50日目。あの日、体育祭で屋上が解放されていた日

この50日間、どれだけ僕が気づけていればと後悔したことか

君がそこから飛んだ理由も聞かずじまいだし

友達に囲まれて、家族に恵まれて、楽しそうに過ごしていたのに

今どこにいるのか分からないけど

この恋心は僕が死んでからあっちの世界で伝えることにするよ

ゆっくりおやすみ(ご冥福をお祈りします)