二冊目 ページ2
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また、
また言えなかった。
学生時代に惚れ込んで、叶わなかった恋。
それでも忘れられなかった彼女に偶然再会してからは、毎日どうやって惚れてもらおうかとそれはもうあれこれ思考を巡らせた。
自慢の口を回りに回らせて今度こそ振り向いて貰おうと思っていたのに、
Aと再会してからはや二ヶ月、
全く進展がない。
これでは昔と、何も変わらないのに。
──学生時代は孤独だった
関わってこようとする人間など、無論話す相手もろくに居なかった。
その中で、会話を弾ませられた少ない人物の中の一人がAだった。
今は床に伏せっている"彼"よりは話す機会が少なかったけれど、楽しそうに耳を傾けてくれることが嬉しくて気づけばどっぷり惚れ込んでいた。
それからは暇さえあれば図書室に出向いて、彼女が図書委員ということを知ってからは当番に来る曜日も覚えてその日は必ず顔を見に行った。
あの頃はまだ思春期故の気恥ずかしさがあって、情けないことに彼女から話しかけてくる時以外は口も聞けなかった。
行動を起こせない自分に呆れつつ、叶うことは無いのだろうと諦めていた。
だからこうして再会出来た時は、飛び上がるほど嬉しくて
今度こそもっと言葉にしようと、沢山話して気持ちも伝えようと思っていた
思っていたのに
「そういう訳で乱数、助言頂けないでしょうか？」
「ゲンタローってそんなに奥手だったんだね」
耳が痛いです
「別に意外でもないでしょう」
「ウーン…二ヶ月も会いに通うだけしかしないのは想像以上だったからさ☆」
「…正直小生も、自分がここまで口下手になってしまうとは思っていませんでしたよ」
チームメンバー…特にあの変人ギャンブラーにならいくらでも嘘八百を並べられるのに。
「口下手なのは意外じゃないけどねん。」
「ほう？何故です」
「ん〜？ヒミツ☆」
「……」
「あれれ、ゲンタロー？」
顔を覗き込んでくる乱数をよそに、座っていたソファから腰を上げる。
「相談する相手を間違えたようなので、小生はこれにて失礼」
「ちょ、ちょちょ待ってよ！？分かった！ボクに良い考えがあるから！」
訝しげな目を向けると、乱数が自信ありげに胸を張りながら口を開く。
「その子に会わせて☆」
「却下。」
・
続く
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むーこ - とは言ったものの！一年以上前のお話だとは…急に変な事を口走ってしまいすみません💦 (5月6日 13時) (
レス) @page2 id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - え、もうすっっっごい続きが気になります！！こんな設定絶対素敵なお話じゃないですか！勝手ながら更新を待たせていただきます…！主様…何卒！！ (5月6日 13時) (レス) @page2 id: 6b7afb9598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：その辺ちゃん | 作成日時：2022年12月27日 15時
