道化師 ニコライ・ゴーゴリ ビターチョコレート ページ27
まただ。
また誰かに後をつけられている。
暗い夜道の中、私は無我夢中で駆け出した。
家の玄関を背中で押さえつけるように閉める。
『はぁ…はぁ…』
扉を伝うようにして座り込んだ。
最近、仕事帰りに後ろから足音が聞こえてくる。
振り返っても誰も居ない。
最初のうちは気の所為だと思っていた。
しかし、最近は後ろで笑い声が聞こえたり、名前を呼ばれたり。
酷い時には肩を叩かれた。
後ろに誰も居なかったのに。
私は一度だけ、そいつの姿を見たことがある。
まるで、サーカスの道化師のような服。
その姿がよけいに、私の恐怖を煽った。
『も……やだぁ…』
大粒の涙が頬を伝う。
「お嬢さん、顔を上げて。」
誰かに頭を撫でられ、顔を上げる。
『ッ？！』
道化師だ。
どうやって家の中に？
「いきなり走り出すから吃驚したじゃないか！もう大丈夫、私が来たから。」
『嫌！来ないで！』
私は道化師を弾き飛ばした。
「うお？！」
急いで玄関を飛び出した。
「逃げちゃダメだよ！……あーあ、行っちゃった。」
ついさっき通った道を逆向きに走り続ける｡
そこの角を曲がった先に、コンビニがあるはずだ。
もうちょっと、もうちょっとで。
目の前に現れた人にあたり、しりもちを着く。
『助けて…助けてください。私何かに追われて…』
そこで顔を上げた私は、言葉を失った。
『っいや………』
「ハハハーハハ！逃げちゃダメだって言ったじゃないか。」
綺麗な月に照らされ、幻想的なまでに美しく映る道化師が立っていた。
「ここでクイズ！約束を破った恋人には何をするでしょうか！」
私の体は言うことを聞かず、その場から動くことが出来ない。
「ヒントはね……」
道化師が羽織っているマントをパサリと掛けられる。
景色が変わった。
『………え？』
「ヒントはね、甘い甘〜い」
【お仕置だよ。】
ゆっくりと押し倒された私は、何も考えることが出来なくなっていた。
窓も扉も無い無機質な部屋に、道化師の陽気な笑い声が響いた。
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紫桜様リクエストありがとうございます！
「遊戯」のバックストーリー的なものになってしまいました。
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雪乃(プロフ) - 紅月ミレーさん» ありがとうございます！！！！！！！！！ (2020年12月11日 19時) (
レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 雪乃さん» まさか、エリスちゃんも知っていたとは(*゜Q゜*) でも、知れたので良かったですありがとうございました(*^□^*) 大丈夫ですずっと待ってますからね(o^−^o) (2020年12月11日 19時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 紅月ミレーさん» お久しぶりです(*^^*)全然更新してなくて申し訳ないです……。二人の関係は、森さんと姐さん、それとエリスちゃんは知っていましたがそれ以外の方々は知りません。大丈夫ですよ！むしろ読んでくれてありがとうございます♪( ´▽｀) (2020年12月11日 17時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - お久し振りです(v^ー°) 今更なんですが、中也様で死がふたりを分かつまでなんですが、森さんが知っていたと言う事は姐さん達も知っていたのでしょうか(´・ω・`)? すみません、今更気になってしまって(〃ω〃) (2020年12月11日 16時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - ゆりりんさん» ありがとうございます！頑張ります！！！ (2020年10月18日 13時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2020年1月22日 21時
