守るから 太宰治(黒の時代) ミルクチョコレート ページ12
目の前が炎に包まれる。
灼熱の炎の中、
またそれに救われる。
まだ夜が明けきらぬ頃、私達は敵の建物へと乗り込んだ。
敵の数はおよそ二百。
チームのメンバーは私を含め十。
普通であれば相当に不利な状況だ。
しかし、メンバーがメンバー。
指揮を執るのは最年少幹部、太宰治。
その補佐である私。
その他八名もポートマフィアの中で活躍する強者。
【太宰の敵の不幸は敵が太宰であること。】
その日の敵も例外ではなかった。
突入して数十分で敵の半分が壊滅。
捕虜として運び出される数人の敵と、その場で糸切れる敵。
当然、不幸なのは生かされる方。
私は心の底から思う。
(私なら捕虜にされるくらいなら死 ぬ方選ぶな。)
「ぼーっとしてないでよ？」
『ひっ。』
黒い笑顔で近づいて来たのは太宰さん。
『たの、楽しそうですね。』
「案外強いのがいてね。もう少しで死 ねそうだったのだけど。」
不吉なことを言う太宰さん。
『敵を倒してからにしてください。』
「はいはい。」
その時だった。
下の階で爆発音が響く。
ちなみに、私たちが今居るのは最上階の五階。
と、なると。
「うっそ。信じらんない。」
『どうなさいました。』
「窓から下見てご覧よ。」
恐る恐る下を覗くと、二階辺りが赤い炎をあげている。
さらに下には不安そうにこちらを見上げる部下八人。
『と、取り残された…？！』
太宰さんを見ると何故か嬉しそうな顔をしている。
「これは、成功するかも。」
『死 ぬこと考えてます？！』
「あ、でも火事は痛そうだから却下。」
もう一度下を覗くと、すぐ下の階まで火の手が伸びていた。
そして、小さい頃のトラウマを思い出す。
足がすくみ、呼吸が出来なくなる。
真っ赤な記憶、消えていく私よりも小さな命。
『い…や…。』
助けを呼ぶ声と恨み言を述べる声が私の心を抉る。
『や…いや…ちが…私のせいじゃ…』
頭が痛い。割れそうで泣きそうで。
瞬間、目の前が真っ暗になった。
『いや、嫌だ怖い助けて。』
助けて。
『助けて。』
助けて。
『助けて太宰さんっ！』
喉が貼りされるほどに強く叫んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→→
文字数の関係で次へ！
・→←それでもずっと ニコライ・ゴーゴリ ビターチョコレート
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 181人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雪乃(プロフ) - 紅月ミレーさん» ありがとうございます！！！！！！！！！ (2020年12月11日 19時) (
レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 雪乃さん» まさか、エリスちゃんも知っていたとは(*゜Q゜*) でも、知れたので良かったですありがとうございました(*^□^*) 大丈夫ですずっと待ってますからね(o^−^o) (2020年12月11日 19時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 紅月ミレーさん» お久しぶりです(*^^*)全然更新してなくて申し訳ないです……。二人の関係は、森さんと姐さん、それとエリスちゃんは知っていましたがそれ以外の方々は知りません。大丈夫ですよ！むしろ読んでくれてありがとうございます♪( ´▽｀) (2020年12月11日 17時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - お久し振りです(v^ー°) 今更なんですが、中也様で死がふたりを分かつまでなんですが、森さんが知っていたと言う事は姐さん達も知っていたのでしょうか(´・ω・`)? すみません、今更気になってしまって(〃ω〃) (2020年12月11日 16時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - ゆりりんさん» ありがとうございます！頑張ります！！！ (2020年10月18日 13時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪乃 | 作成日時：2020年1月22日 21時
