いちご 太宰治(黒の時代) ミルクチョコレート ページ48
「Aちゃん怪我したのかい？」
階段で転んで気にせずに執務室に戻ると目を丸くする太宰さん。
『こんなくらい大丈夫ですよ。』
「はい、座って座って。」
無理矢理ソファに座らされた。
『大丈夫ですって。』
「ダーメ。」
そこからだった。
太宰さんが私にやけに甘く、そして過保護になったのは。
「Aちゃん、コレ食べる？」
『あ、ありがとうございます！』
差し出されたのケーキ。
純白のクリームに赤々と輝くいちご。
「はい、あーん。」
『えあ、あーん。』
「うふふ。お茶持ってくるよ。」
そう言って立ち上がる太宰さん。
そう、ケーキを持ったまま。
『ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞケーキー。』
「はい、お茶。」
『あ、ありがとうございま…』
「熱いからね。あ、クリームついてる。」
『え、何処ですか？！』
「こーこ。」
太宰さんの顔が近づき、頬にあたる生暖かいもの。
チュッと音を立てて離れたあたりで、やっとそれがなんだかを理解した。
顔に熱が集まる。
「わぁ、真っ赤になった。」
そしてまた、
「あーん。」
とこちらにケーキを差し出す。
『あのっ。』
「しー。ほら、いちご食べたい？」
『食べ…たい…。』
「人にお願いする時はなんと言うのだっけ？」
『…下さい。』
「いいよ。」
そしてそのままいちごを頬張る太宰さん。
いちごを…
『うわぁぁぁああああ！！！』
「うるさいなぁ。ほら、あげるから静かにし給えよ。」
『あげるって、食べちゃってるじゃないですか？！』
「あげるってば。」
そしてまた、顔が近づく。
口が合わさり、何かが中に入ってきた。
『っ？！んぁ。』
甘酸っぱい味が口に広がり、私の思考を乱してゆく。
「んっ、ふふ。顔真っ赤だねぇ。」
【いちごみたいだ。】
心配してくれて、私には甘くて、けれど時々甘すぎる。
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ミレー様リクエストありがとうございます！
心配性要素どこに行ったー？！
仲直り 芥川龍之介 ハイミルクチョコレート→←怪我だけは 芥川龍之介＆銀 ミルクチョコレート
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水上灯 - あのゴーグル恨んでやる、でちょっと笑いました(笑) (2022年10月13日 17時) (
レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
？ - 侍従長最高過ぎますｯｯｯｯ(泣) (2022年2月22日 0時) (レス) @page4 id: 5863b45db6 (このIDを非表示/違反報告)
紅月ミレー - 雪乃さん» 大丈夫です(v^ー°) (2021年2月24日 18時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - ミィさん» ですね（笑）なんか可哀想な感じになってしまいました() (2021年2月24日 16時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃(プロフ) - 鮭大根大好きさん» きっと、きっと大丈夫です() (2021年2月24日 16時) (レス) id: e99d9af258 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪乃 | 作成日時：2019年12月27日 23時
