13話 ページ14
「お嬢ちゃんお使いかい?偉いねぇ」
リストを見て何度も確認してからレジに並んだ。店員さんはとても気のいい人だった。「はい」と愛想笑いをしてから紙袋を受け取った。
そそくさとお店を出てふうと息を吐いた。
「あとは帰るだけ」
大丈夫。あとちょっとだ。また自分に呪文を唱えてから歩き出した。
「こんにちはお嬢さん。あなたは僕らが見えるの?」
明らかに”悪いもの”が私に話しかけてきた。私は無視を決め込んで進む。早くここを離れないと!
「まあそんなに、生き急がないでよ」
そう言うなり私の体は止まった。そして勝手に動き出す。
「一緒に遊ぼう」
ね?と言うと道路に歩き出した。タイミングよく車が来てクラクションを鳴らしている。体が言うことを聞かない。いつもならレイが追い払ってくれるのに、今はいない。
スタンドは多分間に合わない。
車が何度もクラクションを鳴らし、近づいてくる。鳴らす間に止まって欲しいと思いながら私は痛みへの準備をした。
「あっぶねぇ!」
数秒遅れて目を開ける。
「お前危ねぇじゃあねえか!!死ぬとこだったぞ」
見知らぬ男の人が咄嗟に私を庇ってくれた。”悪いもの”は「ふふふ、残念」と言いながら消えていった。
「おいお前、聞いてっ……?!」
ポツリと涙が落ちると雨のように降ってきた。さすがに男の人も驚いている。焦った顔をして私のことを心配してくれた。
「どこか打ったのか?」
「えっ、いやその…ごめんなさい。助けてくれて、ありがとう…ございます」
散らばったものを拾う。男の人も手伝ってくれてすぐに終わった。男の人は拾う時に「傷は入ってないな…。それにしても4つって不吉だな。お前が車に引かれそうになったのもそのせいだ」とよくわからないことを言っていた。
「買うなら5つか3つだぞ。4はやめとけ。4は不吉だからな」
そう言って私の頭をぽんと撫でてから「次は気をつけろ」と言って行ってしまった。
私は咄嗟にお礼を言って、もうトラブルは起こさないようにとまたスタンドを使って姿を隠して帰った。
本当は怖くて仕方なくて帰路は少し泣いていた。
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マリイ - アバッキオ好き過ぎる (2019年5月7日 17時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - フラジールさん» 返信遅れてすみません!私もアバッキオが大好きです!更新頑張ります!! (2019年3月7日 19時) (レス) id: ac6852a1fa (このIDを非表示/違反報告)
フラジール - 僕はアバッキオが大好きです!!!だからこれからも便新頑張ってください!!! (2018年12月29日 16時) (レス) id: 2dbf63808e (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 絶狼(ゼロ)さん» コメントありがとうございます!話は結構悩んでいるので嬉しいです!全体的に1話ズレていました!貴方様のコメントのおかげです、ありがとうございます!!のびのびですが更新頑張ります! (2018年12月22日 8時) (レス) id: ac6852a1fa (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - もみじ丸さん» コメントありがとうございます!返信が遅れ、申し訳ありません…。発送が素晴らしいなんて…そんなそんな!更新頑張ります! (2018年12月22日 8時) (レス) id: ac6852a1fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年11月12日 0時