determination ページ7
慎太郎さん、ジェシーさんと話した時からまた時が過ぎた。欠け始めだと思っていた月はいつの間にか新月を通り越して、再び満ちようとしている。
特に大きな出来事は何も無い穏やかな日々だった。それまでと変わった所があったと言えば、慎太郎さんは前よりも余所余所しくなったし、ジェシーさんは俺に話しかけることが増えた。
でも、本当にそれだけ。王子様と姫様の関係に変化が訪れることは無かった。
…まあ、魔法使いが作った世界だし、原作通りじゃないことくらい分かっている。伊達に一ヶ月半ここで過ごしてないからね。
俺は部屋に閉じこもることが増えて、外に出るのは図書館に本を借りに行く時と王子様と姫様に誘われて庭園に行く時くらいになっていた。
何も…変わらない。寧ろ、この世界に来る前に戻っただけだと思う。仕事が休みの日は基本的に勉強三昧だったし。もちろん今よりも外に出る時はあったけど。
時々聞こえてくるお二人の笑い声。歩けないこと、話せないことがかなり悔やまれる。
王子様の姿も見れるし、声も聞くことが出来るから文句を言える立場じゃないことくらい分かっている。実際、樹さんにも感謝してるし。
そんな今日も、俺は部屋に閉じこもって一人で読書。寂しくないと言えばもちろん嘘になる。
それでも本来俺の世界はここではないわけで、他の人達はこの立場の存在がいない世界で時を過ごすはずだったんじゃないか、と自分に言い聞かせる。
あの魔法使いのお爺さんの気まぐれ…そう考えないと、今の状況はあまりにも孤独を感じすぎてしまうから。
気付いたら空は茜色に染まっていて、一日の終了がもう近いことを告げていた。…何も、無かった。
そう思った時だった
ｺﾝｺﾝｺﾝ
誰かが扉をノックした。夕食の時間にはまだ早いから、心当たりが無い。
突然の出来事に早まる拍動を落ち着かせながら、俺はその人物に顔を向けた。
白「突然すみません。…読書中でしたか？お邪魔でしたらまた後に…」
［いえ、ちょうど区切りのいい所だったんです。大丈夫ですよ。］
俺のもとを訪れたのは姫様だった。一度タイミングが悪かったのではと心配していたけど、俺が大丈夫だと言うと安堵の表情を浮かべていた。
白「実は…亮平さんにお話したいことがあって、どうしても聞いていただきたいんです。私の我儘ですけど。」
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Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
