・ ページ6
今日は図書館を訪れた。そこそこ読んでいるはずだけど、読むものは無くならない。
今回は珍しく、ジェシーさんが連れてきてくれた。いつもは…庭園に行く時が多いんだけど。
新しい気になる本を見つけ、少し高い位置にある本をジェシーさんに取ってもらい…机で読もうと思った時、彼が口を開いた。
紅「慎太郎…あいつは超がつくほどの真面目なんです。不器用っていうのもあると思うんですけど、決して貴方のことを嫌っている訳ではないんです。
殿下とあいつと私は幼馴染。そういう認識をきっとされていると思いますが、実を言うと私が殿下に初めて会ったのは慎太郎よりもだいぶ後の事なんです。だからこそ、あいつの忠誠心は人一倍高いんです。
勝手なのは承知しています。ですが…どうか理解していただくことは出来ませんか？」
この世界に来て初めて見る彼の真面目な顔が、自分の幼馴染の話をする時…か。
彼らの絆を垣間見た気がした。もちろん、そんな言葉だけじゃ足りないくらい彼らは強く繋がっているんだろうけど。
三人がここまで仲がいい理由は…やっぱり彼の性格にあるんだろうか。立場に固執していないところは、俺も好きだ。
［大丈夫です、分かっていますよ。私が間違っていて、慎太郎さんが言っていることが正しいことも。］
紅「そっ…それは違います！」
俺がそう伝えると大声で否定した目の前の大男。さすがにそれは、司書の方が来て軽い注意を受けていた。
紅「確かに、慎太郎の言ったことはこの国にとっては正しいかもしれない。殿下が幸せになる近道なのかもしれない。でも、だからって貴方が間違っているだなんて…そんなことは絶対にない。
結局、私達に殿下の幸せを決める権利は無いです。決めるのは殿下ですし、貴方を間違いだと決めつけられる人は…どこにもいない。」
少し苦しそうに、それでいて悲しそうに言葉を伝える彼を見ていたらなんだか少し…申し訳なくなってしまった。
紅「…すみません、少し感情的になりました。」
［いえ、私こそすみません。］
紅「…慎太郎は貴方のことを苦手だと話していたのですが…私は、陛下や王妃様、殿下が貴方を気に入る理由が何となく分かります。…遅くなりましたが席までお連れします。」
結局、最後の彼の話が頭に残って本の内容が頭に入ってくれることはなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
