After Story �� ページ43
yg side
お酒を飲んで少しだけ体がポカポカとしてきた頃、目の前の彼は俺よりも頬を染めてぽやぽやとどこか危なっかしい。
今日はかねてから約束をしていた食事にやってきた。目の前にはお互いの好物であるやきとり。
色々な話をした。仕事の話、メンバーの話、休日の話…。けれど俺は、彼の恋人について聞けないままでいた。
jr「今日あべべと飲みに行ってくるんでしょ？なんか色々聞いてきてよ。」
ky「あ、俺も気になる！」
hk「上手いことやってね。」
js「AHAHAHA！目黒に睨まれないようにね〜。」
tr「楽しみに待ってるよ〜。」
楽屋でそんなことを言われた。ああ嫌だ、その声が蘇ってくる。近くにいるなんてことはもちろんない。…幻聴だ、幻聴。
どうやって話を切り出そうか考えながら彼の顔を見ていると
ab「こぉち、どうしたの？おれのかお、なんかついてる？」
全てがひらがなに聞こえる話し方で、首を傾げながら質問をしてきた。しかも、コップを両手で持っているときた。これは…かなり、あざとい。
「いや、えぇっと…その。」
ab「ふふ、わかってるよ。めぐろのことだよね？きっとみんなに聞いてこいとか言われたんでしょ。」
俺は…どうしてこんなに誤魔化すのが下手なのだろう。俺の意図はほとんど彼に筒抜けだ。きっと、この動揺ですら見抜かれているのだろう。
そんな俺の様子を見たからか、彼は口元に手を持っていきクスクスと笑っている。
…よく世間で“あざとい”と言われる人達の中には、俺の偏見だけど、計算でやっている人の方が多いと思う。自分の魅せ方を分かってる、って意味で。
でもこの人は少し違う気がする。もちろん、ファンの期待に応えるべく計算してやる時もあるのだろうが基本素直な人だ。そういった計算で動くのはあまり得意ではないだろう。
ab「めぐろはねぇ、がんばり屋さんなんだよ〜。やさしいし、周りのこともすぐに気がつくし。」
そう言いながら、どんどんとペースが上がっていく彼。気付けば最初よりも度数が上がっている。
「あ、阿部ちゃん。そろそろお酒は…」
ab「や！まだのむのぉ〜。」
潤んだ瞳に赤く色づいた頬、さらに上目遣いもしている。あまりに無防備すぎるその姿。
これは…まずいことになった。このままだと俺があいつに、睨まれる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
