symptoms ページ18
温かい…何かに包まれているような感覚。これにはどこか覚えがある。
そうだ。それは確か…
？「…っ、…あ…！」
微かに聞こえてきた声。もうちょっと静かにしててよ、俺まだ寝てるのに。
？「…べ、、あべ！！」
俺の名前を呼んでいる。そう思って目を開けると、目の前には随分と焦った顔をしている照がいた。
「ひ…か、る？」
iw「！？ あべ！！」
「おは…よう？」
iw「『おはよう』じゃねえよ…はぁ。」
なんと言っていいのか分からなかったから、とりあえず「おはよう」と言うと盛大にため息をつかれた。
「どうして…ここに？」
iw「…阿部が昨日疲れてそうだったから気にしてたの。昨日のことが心配で連絡したのに返信も無いから…まあ阿部のことだし、ただ遅い可能性も捨てられなかったけど、昨日の今日だったし。
来てみればぐっすり眠ってて、しばらくすれば起きると思ってたら起きない。何度も大声で呼んでやっと起きたんだよ。…そんな疲れてた？」
かなり心配させてしまったみたいだ。その口調の中に、どこか静かに怒っているのが分かるからこの後が怖い。
照の話を聞く限り、こちらの世界では一日も経っていないらしい。あっちでは一ヶ月半…かなり長く過ごしてきたはずなのに、本当に不思議だ。
結果的に仕事を休むこともなく、みんなに迷惑がかからなかったことはかなりありがたい。
iw「みんなには伝えるからな。」
「う…黙っておいてもらうことは…？」
iw「だめ。」
「照がこの前欲しいって言ってたチョコあげる。」
iw「っ…や、だめ。」
残念、揺らいではくれたけど誤魔化されてはくれなかったようだ。過保護になったみんなと会うことを考えると、頭が痛い。
寝起きで最初はボーッとしていた頭が段々と冴えてくる。冷静に考える余裕が生まれると、急にお腹がすいてきた。
ｸｩｩｩｩｩ
「…照、お腹へった。」
iw「おま…はぁ。舘さんにお粥のレシピ聞くよ。どうせ何も食べてないんだろうし。」
「ん、ありがと。」
もうちょい寝とけ、と言って照は部屋から出ていった。…できる彼氏みたいだな。
チョコ…少し高めのをプレゼントしよう、いつも引っ張ってくれるリーダーに。
眠気が少し襲ってきたから、照の言葉に甘えることにした。
目を閉じる前に見えた空の色は、美しい青に少しだけ茜色が混ざっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 496人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ju(プロフ) - 玖黎さん» SNSしておられたらフォローしたいな…と思っておりました、IDが載せられないのでやはりしておられなかったんですね（;;）キリンのように首を長くして待っていたので読者として私も安心です。主さんのペースで、頑張り過ぎないで下さい。また感想綴りにきます^^ (2021年6月9日 2時) (
レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
玖黎(プロフ) - Juさん» ありがとうございます、そのお言葉がとても嬉しいです！SNSをやっていない為リアルタイムで皆様の感想を聞けない分、不安もありましたが無事完結させることが出来て私もほっとしております。この先も、応援していただけると嬉しいです！ (2021年6月8日 20時) (レス) id: 02deec9f9d (このIDを非表示/違反報告)
Ju(プロフ) - コメント失礼致します。完結おめでとうございます！mmabの中で唯一待ち続け、更新中に何度も読み返し更新されては直ぐに読む！を繰り返した作品なのでとても嬉しいです。本編終了後も未だ続くと聞いて興奮が冷めません、とっても楽しみにしています！ (2021年6月8日 18時) (レス) id: daebecd63d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：玖黎 | 作成日時：2021年2月7日 18時
