太宰治の妹ですが何か？《弐》

桜の花弁が59枚 ページ9

［side 芥川龍之介］

｢〜♪〜♪｣


此処で繋がれて鼻歌を歌っているこの能天気馬鹿の
名は太宰凛桜。

僕の師である太宰治さんの実妹。


そして───……


……否、この話は後にしよう。



コツコツと靴を鳴らして階段を降りていくが彼奴は尚も鼻歌を歌っている。

……僕に気付いていない振りをして。


癪に触ったので首を掻っ切ってやろうかと思ったが此奴に異能力は効かないし太宰さんに殺される。


一先ず───




ドンッ！！



｢！｣


効かないと分かっていても癇に障ったので仏蘭西(フランス)で使用されていた断頭台(ギロチン)の様にしてやった。


すると(当然だが)漸く此方を向いた。



｢……ああ、居たの、君｣

赤い目が僕を捉えながら、その傍で砂のように
解けていく羅生門。


芥川｢此処に繋がれた者が如何なる
末路を辿るか───
知らぬ貴様ではない筈だが。｣

｢ﾌﾌｯ)懐かしいねぇ。君が新人の頃を思い出すよ。｣


ニコニコと余裕を持って話す凛桜。
……矢張り殺してやりたい。


芥川｢貴様の罪は重いぞ、凛桜。突然の任務放棄。
そして失踪。剩(あまつさ)え今度は敵としてマフィアに盾突く。とても───｣

桜の花弁が60枚→←桜の花弁が58枚

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す