太宰治の妹ですが何か？《弐》

桜の花弁が86枚 ページ36

［side ルーシー・モード・モンゴメリ］


モンゴメリ｢またお友達が増えちゃったわ！
嬉しいわね、アン！

……なあに？まだ欲しいの？それじゃあ……｣


ぐるん、と虎の彼に向き合う。
途端にアンは彼を追う。
だけど彼は咄嗟に両脚を虎化させて飛ぶ。



モンゴメリ｢すごいすごい！軽業師みたい！
もっと見たいわ！｣


凄い能力ね……
あたしの異能力とは大違い。


モンゴメリ｢なんて力強くて便利な異能なんでしょう。さぞ幼少からちやほやされたに違いないわ｣

中島｢……｣


複雑そうな顔の虎ちゃん。
……苛つくわ、その顔。


モンゴメリ｢貴方、元孤児なのですってね。
あたしも孤児院育ちなの。とても寒い所よ。
凍ったみたいな水で一日雑巾がけをした後は何日も指の痛みが取れなかったわ。｣


アンが傍にくる。


モンゴメリ｢それに、あたしの異能はこんなだから
皆から気味悪がれちゃってね。｣


それに…


モンゴメリ｢貴方がさらわれた時、探偵社は必死に
捜したそうね。素敵だわ。きっと貴方が良い異能を持ってるからね。｣

中島｢僕は…｣

モンゴメリ｢あたしは異能を買われて組合(ギルド)に拾われたの。けど組合(ギルド)は失敗を許さない。今回の作戦をしくじったら汚れた紙ナプキンみたいに捨てられる。そしたらまた独りよ。そんなのって信じられる？｣


ギュッとスカートを握る。


モンゴメリ｢ねえ、何故貴方なの？
なぜあたしではないの？｣


唖然とした顔をするおじさまと虎ちゃん。


モンゴメリ｢不公平よ。貴方もあたしの気持ちを思い知るべきだわ。｣






この部屋の中で永遠にね!!

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