兄は妹が心配で堪らない (ページ27)

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＃027 行方不明な同居人ページ27

［side 織田作之助］

昨日、凜桜が買い物に出て以来、家に帰って来なかった。

あいつは極度の方向音痴だが、迷ったなら『ここどこ？』と写真を添付して連絡をするはず。

織田作｢──と、云う訳なんだが、知らないか？｣

国木田｢行方不明なぁ…。まぁ、大丈夫だろ。｣

織田作｢そうか…？｣

俺としては心配なんだがな…

国木田｢あの男の危機察知能力と生命力は悪夢の域だと貴様が一番理解している筈だろう。あれだけ無茶をして死にそうになっても死んでおらん。｣

敦｢死にかけ…？何かあったんですか？｣

乱歩｢入社した頃、誘拐や人身売買で売られそうになったり、誰かを庇って『三途の川を見たよ』とか云いのけてたよね｣

敦｢ええっ！？(まぁ、太宰さん可愛らしい顔立ちしてるし…)｣

谷崎｢そんなに気になるンならボクが調べておくよ｣

敦｢！谷崎さん、無事でしたか！｣

織田作｢与謝野女医(せんせい)の治療の賜物だな。｣

国木田｢───で、何度解体された？｣

国木田が、そう云うと顔を真っ青にさせ、｢四回｣と死にそうな顔で云う。

確かに与謝野女医の治療は独特で怖いかも知れないが、キチンとした処置を施してくれるので俺は好きだがな。

谷崎｢織田さんも無事そうで善かったです。｣

織田作｢あの後しこたま怒られてしまったがな｣

と、俺が云うと全員苦笑いしてしまった。

……何故だ？