16話〇 ページ17
Aside
私はそんな感情を押しつぶすように、スカートの裾をギュッと握った。
なー君と隣の右半身がドクドクと脈打っていて、とても居心地が悪い。
今すぐにでも、なーくんに飛び付きたい衝動に陥っていて、今この状況がとても苦しかった。
今、急に抱きついたら、困るかな。
「何こいつ」って思われちゃうかな。
でもそんな勇気はあるわけではなく、ただ��幼馴染��として、いつもの笑顔で隣を歩くしか、出来なかった。
「ねぇA。」
『んひゃぁっ？！』
「んふふ、何そんなに驚いてんの？可愛いな。」
『もー、急に声かけないでよっ！』
ごめんごめんと謝る彼の瞳に映っていたのは、いつもの表情の私だった。
本当のことを映してくれる、鏡があったらいいのにな。
私が感じるどんな感情でも、受け止められるのに。
あぁッ、もうッ！！
モヤモヤする気持ちを込めて、近くにあった石を蹴った。
その石はコロコロと転がり、道路の端の方へ転がっていった。
「今日さー、ジェルくん転校してきたじゃん。」
『うん。』
なー君は少し顔を俯かせる。
「あんま、A近づきすぎないで欲しいんだよね…。なんか、心配っていうか…。あいつ、結構なチャラ男だからさ、Aが巻き込まれたら大変でしょ。」
真剣な表情で言われるから、少し笑ってしまった。
『っ、ふふっ！！ ん、りょーかい。』
笑わないでよ、そう言って不貞腐れる彼。
私はそんななーくんを笑いまじりになだめる。
幼馴染っていう関係が、続いて欲しいような、続いて欲しくないような感情に襲われた。
もどかしいこの気持ちを今すぐにでもさとちゃんやころちゃんに言いたい。
相談して、��それは恋だよ��って断定して欲しい。
今の私じゃ、この感情を抑えられる自信がなくて___。
帰りを照らす夕日は、少しずつ沈んでいった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「すとぷり」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
たり - 藍@藍友同盟さん» ね！！お兄さん組って感じですよね！頼りになる2人…！！！ (2020年3月10日 16時) (
レス) id: aee8e01e8f (このIDを非表示/違反報告)
藍@藍友同盟(プロフ) - たりさん» わぁぁい！！ありがとうございます！さとなないいですよね！しっかり者同士みたいで！(笑） (2020年3月9日 13時) (レス) id: 26370e4a14 (このIDを非表示/違反報告)
たり - わあああああああああああああああ！！！私さとなな大好きだから本当に嬉しいです。応援してます！ (2020年3月7日 13時) (レス) id: aee8e01e8f (このIDを非表示/違反報告)
藍@藍友同盟(プロフ) - 結輝@藍友同盟さん» ありがとう(´；ω；｀) (2020年1月14日 19時) (レス) id: 93603941fd (このIDを非表示/違反報告)
結輝@藍友同盟(プロフ) - 好きぃぃぃぃ！ままもりさんとままみ（？）さんですねわかります (2020年1月14日 19時) (レス) id: 642c8fc8b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
