守りたいもの伍【中原中也】 (ページ10)

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【番外編】Merry Christmas ページ10

Aside

「四年前まで疑問に思っていたのだけど、何故やることなすこと豪華なの。」

綺麗なドレスを着た私はグラスに注がれたシャンパンを飲み騒がしい辺りを眺める。
毎年ポートマフィアはクリスマスや正月などの行事に全力を注ぐのだ。父はエリス嬢の為にやっているのは判っている。

何時も仕事に追われている黒服の人達が楽しそうに飲み食い、話している。

(まあ部下達が楽しそうで何よりです。)

でも今年は少し違う。
というと

「何で探偵社が居るんだァ！」

ほら治の胸ぐらを掴み彼に顔を近づける中也の怒鳴り声が聞こえてきた。すぐさま野次馬が集まる。

「仕方ないじゃないか。
森さんが招待してきたんだから」

本当は来たくなかったんだけどねぇと言いたそうに面倒くさそうな顔になる治。
例年と比べて違う事は探偵社が居ることだ。
グラスを置き、私はマフィアに居た時のように二人の仲裁に入り

「はいはい宴の席で喧嘩しない。
いいじゃない、休戦中なのだから。
親睦も大事です。」

ね？と黒い笑顔を見せると二人は黙った。

「昔のようだな」

「ああ、太宰さんと中原幹部が喧嘩を止めるのはA様の役割だったな」

と野次馬の話し声が聞こえてくる。

「ほら野次馬さん、散った散った。
今日は無礼講なのだから好きなだけ飲んで食べて。全て父の財布から出るのだから。」←

「え、ちょっとA！？」

社長と食事をしながら話をしていた父がアワアワし始めた。
私はそれを無視する。

「お父さんは社長と楽しく食事でもしててくださいよ。」

と云うと、社長は

「すまないな、ウチの社員が」

何故か【ウチの社員】を強調する社長。

ピキッ

ん？何か変な音がしたような。

「いえいえ私の娘ですので問題ありません。可愛いぐらいですよ。」

そして社長に引き続き父は【私の娘】を強調する。

「…楽しそうだね。」

2人を指差し中也と治に云うと二人共頭を抱え

「「あれの何処が楽しそうなんだよ/なの」」

？？←