守りたいもの伍【中原中也】 (ページ14)

今日:14 hit、昨日:17 hit、合計:37,467 hit

177 ページ14

Aside

森さんの命令で私に攻撃を仕掛ける紅葉さんと芥川。
だが攻撃は外れる。

「「！？」」

そして外れた攻撃は周りにいた黒服の人達に当たる。
芥川と紅葉さんは何が起きたのか理解できないと固まるが森さんは判ったようだ

「！？
すぐに異能力を使うのは止めなさい！」

「どういう事ですが首領！」

赤い髪の2丁拳銃の男が森さんに聞く。

「彼女の歌で唯でさえ能力が向上している。
普通の攻撃でも周りに被害が及ぶ。
間違って彼女に攻撃したら…唯ではすまない。」

ゴーゴリは高笑いをしながら異能者を相手にする。
私は瞬時に歌を切り替え【敵を操る歌】を歌い黒服の人達に殺し合いをさせる。

人々は殺し合い、銃を乱射する。
武器を持たぬ者は殺される。
自分の意思ではないのに人を殺すというのはどういう感覚なのだろうか。

きっと地獄だろう

(何で…言ったじゃない。
私が消える前に敵になった時に…
何で何で私に攻撃しないの…皆。)

私の脳内に声が聞こえる。

私の声だった。

意味が分からない。

「A────！」

「っ」

私は油断しお腹を殴られ吹き飛び壁に叩きつけられる。

「誰っ…！？」

怒りに満ちた顔の中原中也だった。
私は殴られた所を抑えながらヨロッと立ち上がる。
彼の拳は何故か重い…異能か…。
私は異能者達を軽くあしらっているゴーゴリに目線を送る。

「彼とは一騎打ちでやりたいのだけど。」

通信機を通しゴーゴリに伝えると

「いいとも。ただ撤退の時はちゃんと帰ってきてね。」

「判ってる。」

私は通信を切り、中原中也に云う。

「ここでは騒がしくて戦えません。
それに床には死体がゴロゴロあり、貴方にとって足場が悪そうです。
場所を変えましょうか。」

と言い私はフロントを抜け階段を駆け上り上層部に行く。