［stpr］お兄ちゃんなんか、嫌い。〜third season〜

第七十一話 ページ9

ありす「お姉ちゃんたち、この子はニャンちゃん。この子は、ブーちゃん」


ありすちゃんは子ども部屋で、せっせと私たちにぬいぐるみを紹介している。


この猫のぬいぐるみは、ニャンちゃんで、この豚のぬいぐるみはブーちゃんで。


覚えやすいのがありがたいけどさ、もっといいネーミングないわけ。


カノハ「もあなちゃんも…遊ぼうよ」




もうひとりのカノハの義妹。
三歳のもあなちゃんは、黒いぬいぐるみを抱いて、むすっとした顔で私たちを睨んでいる。


『ほら…楽しいよ』



私たちが何度声をかけてもなにも答えず、口を開いたかと思えば「いい」と首を振る。



もしかしてコミュ障かもしれないから、優しく何度も声をかけるけど、まるで意味なし。



『…いつもあんななの？』

ありすちゃんに聞くと、ありすちゃんはぬいぐるみを撫でながら、「うん」と頷く。


じゃあ、仕方ないか…



カノハ「妹と和解できないのってどうなの」



カノハは落ち込んでるけど。


ころん「入っていい」



ドアの外からころんさんの、声がした。
許可を出す前に入ってきたころんさんは、「さとるぅと来てるけど」と言った。


は？



お兄ちゃんたち？





ころん「僕もまだ出てないから喋ってないけど明らかAちゃんに用あるでしょ」




カノハ「行ってきな？ふたりは私ところんくんで見とくから」



私はしぶしぶお兄ちゃんたちのもとに向かった。

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