君色に染まる日々

酔っ払いたっくん ページ14

川西拓実main



“〜♪”




インターホンが鳴って

“誰だろ…”

って思いながら画面を見れば知らない男の人がいた




「すいません、
あの拓実くんの会社の後輩の金城って言います」




そう言った男の人の肩に
手を回して支えられてるのはよく見ると拓実で




とりあえずドアを開けて
拓実をベッドまで運んでくれた金城さんにお礼を言えば



「拓実くん普段あんま飲まないのに今日は上司に結構飲まされちゃったみたいで…」



“じゃあ、あとは任せちゃっていいですか？”



そう言って申し訳なさそうに
部屋を後にした金城さん


酔っ払った拓実は自分のマンションじゃなくて
飲み屋から近かったからか
私のマンションを金城さんに伝えたみたい




『拓実ー、着替えよう？
スーツがシワになっちゃう』




拓実「んー、あれ…Aー？」




目を少し開けて私を見るなり



『わっ、ちょ//』




ゆっくり腕を回して
抱きついてくる拓実





拓実「むふふ笑 Aやぁ」



ふにゃっと笑いながら名前を呼ぶ拓実から
いつもはしないアルコールの匂いが鼻を掠めて



『拓実飲み過ぎだよ』




そう言って拓実から離れようとするけど






拓実「いやや、このまま」







まるで駄々っ子みたいに
頭をブンブン振って
離すどころかギュッと抱きしめられるから


胸がきゅーっとなる




普段は恥ずかしがって
あんまり気持ちを言葉に出さないし
こういうことだって全然拓実からはしてこないから


レアな姿に戸惑いつつも
嬉しくなっちゃってる自分もいる





『…拓実？』




急に静かになったなと思って
横を向いて拓実の顔を見ると今にも眠っちゃいそうで





『拓実、だめ！とりあえず着替えは絶対しないと…』




バッと体を離して
引き出しに置いてある拓実のスウェットを持ってくる






とりあえず上だけでもと思って
脱がせたジャケットとシャツをハンガーにかければ
自分でガバッと頭をスウェットに通して
着替え始めてるからホッとする

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