虹色の橋 (ページ27)

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ライラックページ27

『危険……です、よね』

私は選ばなければならない。

マ「絶対の安全は約束出来ない」

蘭「Aが行くなら俺らが着いていく」

マ「それは出来ねぇ」

蘭「じゃあダメだ」

『蘭ちゃん、私行く』

蘭「は？」

蘭ちゃんの表情に怒りの色が滲み上がる。

『蘭ちゃんと、竜ちゃんに教え込まれたこと披露するには、とってもいいステージだと思うの』

蘭「ダメだ。何が待ってるかもわからねぇのに許可できねぇ」

蘭ちゃんにいつもの余裕が無い。
余程行かせたくないと見た。
こうなった蘭ちゃんは梃子でも動かない。

それでも動かさなければならない。

この取引は大きなもので
成功すれば梵天の視野がまた広がる。
蘭ちゃんも竜ちゃんも張り切っていた案件だから。

『蘭ちゃん、お願い』

竜「兄貴が折れても俺が許さねぇ」

後ろから抱きしめる形で立っていた竜ちゃんまでもが入ってくる。

竜「相手はマフィアみたいなもんだ。いきなり薬盛られて……なんて事も有り得ねぇ事じゃねぇ」

『その時は、2人が助け出してくれるでしょ？』

竜ちゃんの腕と、蘭ちゃんのスーツの裾をギュッと握る。

蘭「そ、そりゃそうだけどさ〜……」

『それに、私銃の腕は確かのハズだし、蘭ちゃんは私を梵天に入れたいのでしょう？試験だと思って、ね？』

お願いの仕方ならしっかり覚えた。
曖昧な言葉を並べることなく
的確に蘭ちゃんの言葉を削いでいく。

蘭ちゃんまではいい。
問題は竜ちゃん。

ここぞとばかりに弟属性を発揮して駄々っ子になってしまう。

竜「俺は認めねぇ」

私の肩に頭を乗せ項垂れている。

『りーんちゃん』

竜「だめ」

蘭「りーんどー」

竜「やだ」

『私、竜ちゃんに信用されてないのかぁ……』

竜「そう言うことじゃねーだろ」

『私もうおんぶにだっこの、何も出来ない13歳じゃないよ。トリガーも引ける。』

子供をなだめている気分になる。
でもここで私が引く訳には行かない。

『竜ちゃん、約束したじゃない。ずっと一緒って』

だから大丈夫だよと続ける前に体を巻き付く腕に力が込められた。

ここで断れば最悪ふたりと一緒に居ることすら出来なくなるかもしれない。

竜「……なんかあったらぜってぇ駆け付ける。条件はそれだ」

何とか場がまとまり2人の説得に、やっとピリオドを打った。