弍、ゼロの協力者【名探偵コナン】 (ページ32)

今日:10 hit、昨日:10 hit、合計:155,988 hit

Delaying action ページ32

.

確か、とある組の若頭がこんなことを言っていた。
以前私が捕まえたのを機に改め、その後組長になったと聞いた。
それは改正なのか…微妙な点ではあるけれど。

つるんでいることをバレたら一発アウトだろう。
恐らく辞表を書くことになる。
それでも私は彼らに絡む。いや、彼らが正統派だからかもしれない。

〝銃を向けたら、いつ撃たれてもいいって覚悟をした証拠だぜ、嬢ちゃん〟

職業柄、そういうものに鉢合わせることは少なくない。そんな私にストップを掛けてくれたのは新垣という男だ。

以前彼の部下が丸腰の私を撃とうとしたとき、彼は私を庇ったのだ。
有り得ない話だが、そのおかげで今の私がある。
その当の本人である新垣は服役中であるが、たまに私に連絡をし、近状報告をさせてくるのだ。

因みに、その以前の部下はこの平井。
彼は、この組織が壊滅的になってからすぐに古巣を捨て、自分で組織を立ち上げたが、それも失敗し、服役したのだ。

話が脱線したが、…つまり、この状況を打破するには私にも拳銃が必要だ。いや、撃つの苦手だから威嚇射撃になってしまうが。

しかし、この全国放送ネットワークを辿れば、〝彼〟は絶対来てくれる。

｢ほら、お望み通り撃たれる前から撮ってやるよ｣

『…うーん、私死ぬ前にやり残したことがあるから…それをお願いしても良いかしら？』

｢…なんだよ｣

再び私のお願いを聞くことになり、げっそりしている平井。

『私、無性にフォアグラが食べたいんだよね。死ぬ前に三大珍味食べないと死にきれないなぁ』

絶対これを見ている人にはこの警察官馬鹿かよと思われているだろう。

良いんだそれで。
私は…ゼロのために時間を稼いでいるだけなんだから。

(時間稼ぎ)