教科書に乗る我々国の無能とは私のことです

八話 ページ9

貴方side


｢ほらほら次は走らなきゃなんだよ？
早く準備してよ、ゾムが折角張り切ってやるって言ってるんだから｣

地味に辛辣ですねらっだぁ総統様…確かに今の人達はすぐに弱音を吐きますけど！！。
ってあの子はアイ様？ショッピ様にチーノ様…って名前を呼んでは…次からは気を付けましょう。

｢じゃあスタート！｣

ぺいんと様の掛け声で始まる。
皆様最初は順調に進んでいますけど…ってアイ様達張り切ってますね…これはバレないようにしませんと。

数分も経つと皆がばてて来て私がいつの間にか先頭に。

『まだ半分も行ってないのに…こんなでへばるとか効率が落ちてしまいますね』

ってそんなこと言ってたら目を付けられますね。
そろそろ本気で走りましょうか、逆に目立ちますが良いでしょう。

｢あの方はA様…？｣

あの子が私の名前を呼ぶ。
ドクンと胸がはねる、その声を聞くと何処かが苦しくなった。
ここで少しでも顔を歪めたら全てが台無しになってしまう…何も聞こえないふりをしよう。

｢アイさん遅いっすよって…先輩？｣

『えっ、あ、新入生くんこんにちは』

遠距離部隊副隊長様に先輩と言われ少し戸惑ってしまった…まぁビックリしただけだろうとなるよね…？

｢へぇ、先輩やりますね。俺と勝負しません？もうすぐ二十週になるでしょ？｣

『面白そうな勝負ですね、ですが新入生に負ける私ではないのでお先に失礼します』

並走していた副隊長様に向かって軽くお辞儀して少しスピードをあげる。
コレでは目立ちまくりですね、言い訳でも考えておきましょうか。

｢ショッピを抜かす、女子？お前！やるやんけ！！！｣

大声でそう言ったのはコネシマ様。
近距離部隊副隊長様が何の用ですか…？なんて思いながら走る。
…何か忘れてる様な…？

｢チィーッス！！｣

『あん…ゾム様？！』

危ない、暗殺部隊隊長様と呼ぶとこでした。


｢お前中々やるやん！俺と勝負しようや！｣

『お断りします、ってか並走しないで貰っても？』

｢なんでや！｣

『無能幹部と同じ名前を持つ私と話してると変な噂が立ちますよ』とそう言いまたスピードをあげ準備運動を終える。
まだ誰も終わってなく私が一番最初だったのだ。

『そろそろアイ様や遠距離部隊副隊長様、副外交官様が終わる頃なので私は隅っこに移動しますか』

視線？いや気のせいでしょう。
今言ったことが聞かれてなければ良いのですが…。
私が何処か行こうと立ち上がると。

｢待って！｣

と声が聞こえる。

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