教科書に乗る我々国の無能とは私のことです

二話 ページ3

貴方side


『無能と言ってくださったのは…貴方達じゃないですかッ…』

後ろの2人に聞こえないようにそう言った。
なんで…なんで…私が有能なのですか。
私より有能は沢山います…私のことなんて忘れてくれてよかったんですよ…。

｢あっ、そろそろチャイム鳴る｣

コンタミ様の言葉で意識が覚醒する。
また五月蝿くなるのか…今日は特に五月蝿くなりますね。

ピーンポーンパーンポーンとチャイムがなる。
今日のチャイムはコレですか…まぁ入学式なら妥当ですが。
普段は生徒会が頼んで作ってもらったOPやED。
風紀委員がらっだぁ総統様のEDやらですのに…。

『生徒会の曲はせら様が作ったんでしたっけ…』

あの方は元気にやってるんでしょうか。
前は総統様によくこき使われてましたから…インタビューの時なんてせら様を雑に扱って…。
まぁ、あの人のことです。上手くやっていますよね。

扉が何度もガラガラとなり出す。
教室には人が増えていき席に着く。
私は本を鞄に入れ先生が来るのを待つ、そろそろ来る頃のはずです。

｢欠席の人は居ませんか？居ないなら皆さん適当に並んで下さい｣

嗚呼そうでした、こう言うのは美化委員や風紀委員生徒会がやるんでした。
死神様、前世はすみません。少しの間現世に降りてきた時は謝れなくてすみません。
そう思いながら適当に列に並ぶ。

｢無言で体育館まで言ってください｣

｢喋った人はデコピンします｣

死神様二年生になってそんなことする人いないと思いますよ。
だって貴方方のデコピンはすっごい鈍い音が響きデコピンされたとこは腫れ上がりますから。
それが怖いのか皆静かに移動する、女子も珍しくこの時だけは静かなのだ。

体育館に着くと他のクラスや学年がちらほら並んで座っていた。
私達も死神様の言葉をきちんと聞き椅子に座る。
これを後から片ずける3国の人達は本当に大変でしょうね。

静かな空間にチャイムが鳴り響く。
情報部隊隊長が｢全生徒起立｣と言うと皆ほぼ同タイミングで立ち上がり礼をする。
それが終わると先生方が話し始める。
こそこそと話す生徒の会話の方が面白くそのまま耳を傾けていると女子生徒達が黄色い歓声をあげる。

もうこんな時間か…去年は本当にびっくりしましたね。
五月蝿すぎて耳が壊れるかと思いましたよ…。

｢あー、あー、諸君聞こえるだろうか｣

疑問符なんて付けずそう聞く我々国の総統。
グルッペン、此処我々運営の日常高校の生徒会長だ。

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