夜兎の就職活動 ページ10
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頭脳派とはいえ私も夜兎だ。そこらの地球人に負けるほど弱くはない、はずなんだが。
「防ぐだけじゃ意味ねェだろ。アバズレ女」
「ははは……。男に守られねばっかだから戦いには慣れてないんですよ」
受けた一太刀を振り払う。距離を取る相手に弾丸を撃ち込むも其れも簡単に真っ二つへ。
「しっかり
余裕そうな笑みを浮かべて自分の心臓を指差す男、真選組一番隊隊長沖田総悟。
さて、私が真選組一番隊隊長沖田総悟と戦うことになったのは1時間前に遡る。真選組局長近藤勲を助けた私はふぁみれすという場所でご飯を奢ってもらった。ふぁみれすは素晴らしい。ハンバーグやオムライス、ステーキとかご飯がいっぱい出てくる。しかもドリングバーっていうジュース飲み放題までもあった。ここは桃源郷か。
全メニュー頼んでから、前の職場はハラスメントが酷くて地球に逃げて来たのだが、住む場所や明日食べるご飯すらないと泣けば、同情してくれたのか。近藤勲をうおんうおんと不細工な泣き面で真選組においでと誘ってくれた。
その話に乗っかって近藤勲と一緒に私は真選組に向かったのだが、真選組鬼の副局長と呼ばれる土方十四郎が登場。「女はお断りだ」と。泣いてみるもこの土方十四郎には効かなかった。他の隊員たちは「副長の鬼!入れてやれよ!」とやんよやんよと文句のオンパレードだが。
ここで引けば仕事が間違いなく面倒になる。何とかしないと粘っていると今度は一番隊隊長沖田総悟が登場。「コイツが俺に勝ったら入れてやったらどうでさァ」と神の一声。そんな事で私は真選組に入る為に沖田総悟と戦っているのだ。
「いやぁ……。神威が侍を気に入るのも分かるわぁ」
かれこれ30分以上は戦ってるけど、相手は倒れる気配はなし。何なら勢いが増してる気がする。
「そこまでだ」
土方十四郎の声が掛かる。私の左頬に刃が掠り、沖田総悟に向けた右脚が地面に直撃して大きく割れた。
「まだこの人との決着着いてないですけど」
「もうお前の実力は分かった。それにこれ以上は屯所が壊れる」
「……それは私を入隊させてくれるって事で?」
「あぁ」
「ならいいや」
私は落とした番傘を拾ってから番傘を開ける。
太陽の光も強くなってきたからこれ以上戦うのはしんどかったから良かった。
「てめぇ名は?」
「Aです。皆さま、これからよろしくお願いします」
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ますしん - 更新お待ちしています (9月4日 14時) (レス) id: 330bdb2da9 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 神威オチがいいです (5月23日 7時) (レス) @page24 id: 5a2153f7ba (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^楽しく読ませて頂いてます。沖田くん落ちが好ましいですが、沖田くんピュアなの好き! (2023年3月4日 20時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございます。今作品の夢主を気に入っていただき、ありがとうございます!夢主の投稿を是非載せてください! (2023年2月28日 23時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - この作品の少し大人な感じがリアルで惹かれました。そしてこの夢主ちゃんを描いてしまいました…。私のイラストを更新する作品にそれを出したいのです。それから、この作品の夢主ちゃん描きましたよ、とこちらのURLを貼りたいのですが、よろしいですか? (2023年2月23日 21時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月16日 23時