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南天楼を奪取しようとしたが、裏を読まれていたらしく第七師団の半数は宇宙の塵となった。以前の春雨なら、夜兎の集団である第七師団を潰すなら利害を度外視しなかった。今の春雨に夜兎を殺す方法を知っている奴がいる。それを知るために、第七師団は敵地に向かう。
「うっわ、悲惨」
進めば進むほど夜兎がゴロゴロと倒れていた。Aは倒れている夜兎の身体を確認する。全ての夜兎は一撃で殺られていた。こんな力技を出来る奴なんて相当の実力者しかいない。
「やっぱりか。
「……夜兎相手にこんなふざけたマネができる奴は宇宙に二人しかいないよ。
煙幕の中、獣の如く鋭い目つきをした夜兎、星海坊主が立っている。ぞわりとAの背中に冷や汗が流れた。自然と番傘を持つ手の力が強くなる。
「二人とも、邪魔するなよ」
そう言って、神威は狂気的な笑みを浮かべて星海坊主に突っ込んだ瞬間、艦内に爆発が起こり始めた。爆風に巻き込まれAは壁にぶつかった。ガン!っと頭を打ち、視界が薄れていく。
「か、む……い」
無意識の内に神威の名前を呼ぶが、悲しくもそれは
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湿った匂いが鼻につく。目を覚ますと、ひび割れた天井が広がっている。私はゆっくり身体を起こすが、右腹に鈍痛を感じて右手で押さえた。
「起きたか」
声の方へ目を向けると、阿伏兎が扉の前に立っていた。
「……此処は」
「あの
「烙陽か」
納得し、私はベットから降りる。着ていた服を脱ぎ捨てて近くに置いてあったチャイナ服に着替えようとと、阿伏兎が「おい」と声がした。
「その怪我で何処行く気だ」
「
そう言うと、阿伏兎は溜息を吐き出す。何か言いたげそうだが、諦めたのだろう。阿伏兎は部屋を出た。私も続いて部屋から出ると、外は雨が降っている。薄暗い天気だが、夜兎にとっては都合の良い天気だ。番傘を差して階段を降りようとすると、星海坊主が立っていた。
「親子喧嘩の続きですか?」
聞くと、星海坊主は気まずそうに黙ったままだ。どうやら当たったみたい。分かりやすい親子。
私は小さく笑いながら言った。
「程々でお願いしますよ。ああ見えて私らの大事な団長なんで」
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ますしん - 更新お待ちしています (9月4日 14時) (レス) id: 330bdb2da9 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 神威オチがいいです (5月23日 7時) (レス) @page24 id: 5a2153f7ba (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^楽しく読ませて頂いてます。沖田くん落ちが好ましいですが、沖田くんピュアなの好き! (2023年3月4日 20時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございます。今作品の夢主を気に入っていただき、ありがとうございます!夢主の投稿を是非載せてください! (2023年2月28日 23時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - この作品の少し大人な感じがリアルで惹かれました。そしてこの夢主ちゃんを描いてしまいました…。私のイラストを更新する作品にそれを出したいのです。それから、この作品の夢主ちゃん描きましたよ、とこちらのURLを貼りたいのですが、よろしいですか? (2023年2月23日 21時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月16日 23時