【銀魂】働き兎の就職先は地球

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『実家のお父様が倒れたらしいので、1週間お休みいただきます。冷蔵庫に置いてある玉子豆腐の期限そろそろ切れると思うので食べといてください』


煙草を吸いながら土方宛のメールを送信すると同時に、ずっしりとAの背中に重みを感じた。神威が抱きついてきたのだ。


「何してるの」
「休むって連絡送ってた」
「まだ地球(あっち)にいんの？」
「取引終わってないからね」
「そんなものいいからこっちに居てよ」


ぐりぐりと首元に頭を押し付けられる。神威の髪が当たってチクチクと痛い。だか、今の神威は駄々をこねる子どもだ。ここで文句言ったとこで余計に機嫌を損ねるのは目に見えている。Aは吸っていた煙草を灰皿に置いてから、神威の頭を撫でる。


「終わったらすぐ帰って来るから待ってて」


子どもをあやす様な優しい口調に、神威はそれ以上は何も言わずにAを抱き締める力だけを強めただけだった。



▼▽▼



阿呆提督に話があると呼ばれて、神威、A、阿伏兎は広間にいた。


「タカスギシンスケ？」
「しらぬか。以前我等と盟約を交わした鬼兵隊なる武装集団の首領よ」


話の内容は先日元第四師団団長を捕まえた鬼兵隊だった。阿呆提督の話を聞きながらも神威は食事に夢中だ。その様子をAは退屈そうな顔で後ろから眺めていると、隣にいる阿伏兎に小腹を突かれた。


「なに」
「昨日は随分団長と楽しみしてたんだな」
「世間一般ではそれセクはらにはいるんだけど」
「聞くぐらい良いじゃねえか。朝から団長の気分が良くて俺は安心した」
「私は久しぶりに帰ってきてから神威の相手されては、香燐って子にプライド折られた侵害料とか訳わからない請求されて大変だったよ」
「払ったのか？」
「生きたくないの？って言えば解決した」
「物騒だなぁ」


そんな小話をしていると話は終わったのか。神威に呼ばれて二人は広間から出て行った。広間に出てすぐに今度は匂狼団長が立っていた。元朗の操り人形である阿呆提督が気に食わないから神威を担ぎ上げると騒いでいるが、只々暴れたいだけの神威にとっては迷惑な話。


「悪いけど、俺の勝負(たのしみ)は誰にも邪魔させない」


不敵な笑みを浮かべる神威にAは呆れて息を吐き出した。うちの団長様の悪いとこが出たな、と。

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