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夜の23時過ぎ。スナックすまいるでの仕事を終えてAは屯所まで千鳥足で帰っていた。春雨にいる頃は団員がよく飲むので飲む事は多かったが、真選組に潜入してからは飲む機会が減ったので飲まなくなったのでペース配分を間違えた。久しぶりに酒に酔わされている


「嬢ちゃん一人〜?おじさんと遊ぼうぜ〜」


深夜に近づいて酔っぱらいの数も多い。こうやってAに声を掛ける奴は8人目だ。


「あそびませーん」


Aは酔っぱらいに向けて小石を投げた。小石は酔っぱらいの顔面に埋まり込んで後ろへと倒れていく。今までの酔っぱらいたちもこうやって追い払っていた。様子を見ていた町の人はおっかねぇと肝を冷やされる。だが、アルコールで思考回路が回らないAは気にせず鼻歌交じりに歩いていた。


「おい、酔っぱらい」
「ん?あっ、そうごくんだぁ」


歩いていると沖田が立っていた。今にも腕がもげる勢いでAは手を振りながら沖田の所まで走る。そして漫画みたいにバナナの皮に滑ってうしろへ転けた。


「いたい……」


Aは大の字で転がって動かないと思えば、今度はわんわんと子どもみたいに大泣きしだした。情緒不安定かよ、と沖田は呆れた顔で思いながらも周りの視線は痛いので「帰るぞ〜」とAを抱えて歩き出す。


「そーごくんせかいがまわってる」
「おー。回ってんのはお前の頭だ」
「そーごくんワンワンがあそこにいる」
「お前に似て阿呆そうな面してらァ」
「わたしのほうがすうおくばいかわぁいい」


沖田は適当に相槌を返していると、ふにりと頬に柔らかいものが当たる。何だ?と沖田はAの方へ顔を向けると今度は唇に当たった。


「そうごくんとチューしちゃった」


へへっと子どもみたい悪戯した笑みを浮かべるA。沖田は目をまん丸くさせたまま固まり、ぶわりと顔を真っ赤にさせた。


「そうごくんのかお、たこさんみたい」
「てめェがいきなりンなことするからだろ……!」
「えーっ……。じゃあこんどはそうごくんからする?」
「何でそうなるんだよ!」


唸る沖田に構わずAはむぅと口を尖らせて「しなの?」と言う。アルコールで赤く染まる頬に熱に浮かされ瞳に惹かれるが。



「しねェ!」
「んだよ。けち」


理性を保って断った。Aはブーブーと文句を垂れる。人の気も知らないで。いつか痛い目合わせてやると沖田は心に決めて屯所へと連れて帰った。

3→←酒に呑まれた夜兎



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設定タグ:銀魂 , 神威 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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ますしん - 更新お待ちしています (9月4日 14時) (レス) id: 330bdb2da9 (このIDを非表示/違反報告)
- 神威オチがいいです (5月23日 7時) (レス) @page24 id: 5a2153f7ba (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^楽しく読ませて頂いてます。沖田くん落ちが好ましいですが、沖田くんピュアなの好き! (2023年3月4日 20時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございます。今作品の夢主を気に入っていただき、ありがとうございます!夢主の投稿を是非載せてください! (2023年2月28日 23時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - この作品の少し大人な感じがリアルで惹かれました。そしてこの夢主ちゃんを描いてしまいました…。私のイラストを更新する作品にそれを出したいのです。それから、この作品の夢主ちゃん描きましたよ、とこちらのURLを貼りたいのですが、よろしいですか? (2023年2月23日 21時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月16日 23時

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