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「お通ちゃんふぁんくらぶの大会?」
「あぁ。トシが妖刀に取り憑かれてな。妖刀から解放させる為に出るんだ」
「なるほど?」
パチンとAは将棋を刺す。真選組に来てからAは近藤と将棋や囲碁をする機会が増えた。今日も近藤に誘われて将棋をしていると寺門通公式大会の話が出る。
地球に住み始めて半年。Aもテレビを見ることが増えたのでお通は知っている。だが、お通の大会があるのは初耳だった。地球も変な大会やるんだな。
「それでだな。Aにもこの大会に参加してほしいんだ」
「それは別にいいですけど」
「ほんとか!ちなみにこの衣装で参加するのだが」
近藤が取り出した衣装にAはヒクリとかおを引き攣らせた。それもそうだ。袖を破られたベストのジーンズと赤の紐を渡されたのだから。
「可愛いぞ」
「かわ……?」
えっ、これ可愛いの。ダサくないか。
Aは疑心暗鬼に落ちる。だが、近藤の疑いのない目に惑わされたのか。「一回着てから決めますね」と衣装を受け取って着替えにいった。
数分後。着替え終わったAは大会に出るのは断った。流石のAもこのクソダサ衣装は着たくはなかった。
▼▽▼
近藤たちがお通の大会に参加するとなり、Aは休日をもらった。久しぶりの休日。何をしようかと町の中を歩いていると、尻ポケットに入れてた携帯が震える。誰だと確認するとAは面倒くさ気な顔をして連絡を取った。
「ふはい」
『よォ。そっちの生活は楽しんでるか?』
「久しぶりに休みとれた」
『社畜の呪いでも掛かってンの』
「冗談でもやめて阿伏兎」
連絡をかけたのは阿伏兎だった。Aは近くの自動販売機に寄って酒缶を買う。
「なんか用?」
『A、いつ仕事終わる?』
「さぁ?まだ終わりそうにないから居るけどなんで」
『お前がいなくて団長が不機嫌だ』
「だから女の子呼んだじゃん。あれ駄目なの?レビューも良かったし、何なら星4.8だよ」
『俺と団長以外は喜んでたよ。あの娘、見かけによらず積極的な娘だからなァ』
「神威は屈服させたい派ね。新しい娘探そうか?」
『そういう問題じゃねェ。団長はお前さんが良いんだよ』
「じゃあ私に似た子派遣させるね」
酒缶を一気に飲み干してAはゴミ箱に捨てた。電話越しの阿伏兎が溜息を吐いている。
『あんな、Aもそろそろ団長を見てやれ』
阿伏兎の言葉にAは嗤った。
「知らね」
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ますしん - 更新お待ちしています (9月4日 14時) (レス) id: 330bdb2da9 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 神威オチがいいです (5月23日 7時) (レス) @page24 id: 5a2153f7ba (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんばんは^_^楽しく読ませて頂いてます。沖田くん落ちが好ましいですが、沖田くんピュアなの好き! (2023年3月4日 20時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございます。今作品の夢主を気に入っていただき、ありがとうございます!夢主の投稿を是非載せてください! (2023年2月28日 23時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - この作品の少し大人な感じがリアルで惹かれました。そしてこの夢主ちゃんを描いてしまいました…。私のイラストを更新する作品にそれを出したいのです。それから、この作品の夢主ちゃん描きましたよ、とこちらのURLを貼りたいのですが、よろしいですか? (2023年2月23日 21時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミワ | 作成日時:2022年11月16日 23時