２ ページ13
・
「昨日から物壊しすぎなんだよてめェは！」
「痛っ」
「イテっ！」
パシンと沖田とAの頭を土方が叩く。頑丈さの取り柄の夜兎には土方の叩きは軽いらしく反応もそこまでだ。
「総悟てめェもだ！何呑気に話ししてんだ！」
「やだなァ土方さん。俺はちゃんと言いましたぜ？」
「最後まで言い続けんだよ！Aのせいで何人の被害者出てんと思ってんだ！」
被害者というのは真選組の中で女とそういう関係をもったことのない者。つまりチェリーボーイだ。映像や雑誌しか見たことがなかった女体。しかも動く度に揺れていた。刺激が強かったらしく何人かの隊員が倒れた。
「私のせいなんて酷い。何にも悪いことしてないのに」
「うん。悪いことはしてないけど、常識的に考えてあの格好どうにかしようね！？」
「いや、無理です。着物？でしたっけ。布切れ1枚でよく出来たもんだと思いますけど着るの難しいです」
先程土方に着崩れた着物を直してもらった。母親みたいにガミガミと怒りながら。その姿にAは阿伏兎みたいだな。いや、阿伏兎よりか良い人かと考えていたのは内緒だ。
「て事で土方さん。今日は着替えとか買いに行かせてください。仕事は明日からします」
「はあ……。総悟、お前の部下だ。見廻りついでに江戸を案内しろ」
「マジでか。土方さんからサボりの許可もらえるとは思わなかったでさァ。やりィ」
「ちげェよ。見廻りもしろって言ってんだろ」
▼▽▼
眩しい。沖田と共にAは目を細めながら江戸の町を歩いていた。晴れているというのに番傘を開いている美女と真選組一番隊隊長の沖田。目立つ二人に町の人たちはチラチラと見る。
「ここが俺のサボり場」
「仕事中サボったら駄目でしょ」
「俺はいいんだよ。これからお前が俺の代わりに働くんだからなァ」
またとんでもない上司に捕まった。今度はサボり魔上司か。顔は良いなと思っていたけど、やっぱり他に難がある性質だ。
Aは横目で沖田を眺めていると、「あれれ？デートですか？」軽そうな声がした。
「旦那ァ、違いますよ。こいつは昨日一番隊に入ったA」
旦那と呼ばれた銀髪に目を向ける。Aはその男も知っていた。鳳仙の旦那を倒して神威がお気入りの侍だ。まさかここで繋がりがあったとは。
「総悟くんの部下のAです」
「礼儀正しい娘じゃねえか」
死んだ魚の眼をしている。これが本当に鳳仙の旦那を倒したのか。Aは不思議に思った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 371人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ますしん - 更新お待ちしています (9月4日 14時) (
レス) id: 330bdb2da9 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 神威オチがいいです (5月23日 7時) (レス) @page24 id: 5a2153f7ba (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´･∀･)(プロフ) - こんばんは^_^楽しく読ませて頂いてます。沖田くん落ちが好ましいですが、沖田くんピュアなの好き！ (2023年3月4日 20時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
ミワ(プロフ) - かっちさん» コメントありがとうございます。今作品の夢主を気に入っていただき、ありがとうございます！夢主の投稿を是非載せてください！ (2023年2月28日 23時) (レス) id: 07a3cb3a6c (このIDを非表示/違反報告)
かっち(プロフ) - この作品の少し大人な感じがリアルで惹かれました。そしてこの夢主ちゃんを描いてしまいました…。私のイラストを更新する作品にそれを出したいのです。それから、この作品の夢主ちゃん描きましたよ、とこちらのURLを貼りたいのですが、よろしいですか？ (2023年2月23日 21時) (レス) id: 1b6cbbdaba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミワ | 作成日時：2022年11月16日 23時
