拝啓、親愛なるあなた様へ ページ8
『A。』
そう呼ばれて振り返る。
その声はずっとずっと求め続けてきたあの人の声。
草むらをかき分ける
せっかく下ろした靴が泥にまみれても走り抜ける
聞こえた音の先にいるのは探し続けてきた人
求め続けてきた来たあの人
『京治さんっ!!』
驚く程軽い足取り。
ずっとずっと会いたかった、彼が立っている。
後ろに広がるのはいつか見た青空と桜並木。
『すごく…すごく会いたかった、A。』
『あぁ、あぁ…!私も、!私もとても、お会いしたかったです…!!!』
暖かい腕、求め続けてきた温度。
抱きとめる時に私の髪の毛を少しクシャっと撫でるクセ。
何もかも変わらないあの時のままのあなたがいました。
拝啓、親愛なるあなた様へ
『大変お慕い申しております、赤葦 京治様。』
『俺もだよ、A。』
あなた様はどこで何をしておられていたのでしょうか?
これから沢山お聞かせください。
時間はたくさんありますから、私にお教え下さい。
『ねぇ京治さん、あなた様は私にお手紙のお返事を1つもお返しになられずにどこで何をしておられたのか、勿論お教え下さるのでしょう?』
『ああ、全部話すよ。この世界だたった一人、君にだけ。
さて、何からがいいかな?』
fin
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作者名:恋@眼鏡 | 作者ホームページ:http://sukinaharahasakuradeui
作成日時:2017年9月28日 0時