チョコを受け取ったのは ページ10
千ちゃんは私に何度も｢大丈夫？｣って心配する言葉をかけてくれながらダンス教室に向かった。
少しクシャクシャになったチョコの袋を握りしめながら、家にも帰れず公園のベンチでチョコを眺めていた。
それから30分くらい経った頃だろうか。
｢いでっ、、｣
後ろからポカッと頭を殴られ、振り向くと宏が立っていた。
｢あれ、宏部活は……？｣
｢だからそんなことどうでもいいんだってば｣
｢じゃあなんでココきたの？｣
｢お前のチョコ貰いに来た｣
｢え？｣
｢ったくなんでチョコの袋握るかなぁ笑｣
と笑いながらも私の手から袋を盗み、｢いっただきー｣とクッキーをボリボリと頬張った。
｢にっが笑｣
｢焦がしたもん｣
｢知ってるわ笑 俺んちで焦がしてさ笑｣
｢……｣
宏のくだらない冗談にも今は付き合えなかった。
すると、
｢こんな美味いクッキー、受け取らないなんてあいつ勿体ねぇことしたな笑｣
とボヤいた。
｢えっ、宏なんでそのこと知ってる、｣
｢チョコボロボロになるまで握りしめて今にも泣きそうな顔でベンチ座ってたら、そりゃ誰だってお前が振られたことくらい分かるわ笑｣
｢そっか、そうだよね…｣
｢どうせフラれるんならこんな感じで終わるの嫌だったのになぁ、、面と向かって『嫌い！』って言われた方が良かった…｣
真面目に話してる私とは逆にお菓子に釘付けになった宏が
｢どれどれ生チョコも…｣と探った。
｢おおっ、うんめえっ！笑 やるな、お前｣
｢だって頑張ったもん、すんごく｣
｢ったく、あんな奴に渡すチョコなんてねぇよホント。ずっと俺にだけ渡してればいいのにさ……｣
｢ん？｣
｢え？いや、なんでもない。そういや手は？火傷残った？｣
｢ううん、宏のお母さんが塗ってくれた薬が効いたみたい。でもまだちょっとヒリヒリするかな笑｣
｢そっか、風呂上がりちゃんと薬塗れよ｣
｢うん、｣
そうやって私の火傷の心配をする彼は、また焦げたクッキーを頬張った。
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とも(プロフ) - こんばんは！いつも楽しみにしてます！リクエスト大丈夫ですか？ (2020年3月22日 0時) (
レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年2月27日 23時
