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ちょっとだけ ページ7

「ねぇ、いいでしょ?」


「ふざけんな、なんで俺の家でやるんだよ!お前ぜってぇ散らかして帰るじゃん」


「ううん!神に誓って片付ける!お願い、今回だけは頼れるの宏光しかしないんだよぉ、」


「急に宏光呼びすんな笑 んも〜しょうがねぇな、どうせ親残業だし、いいよ」


「ほんとに?!やったぁー!宏ありがとう!!」


「ったく……こーゆー時だけ俺んとこ来やがって」




結果。


バレンタインチョコは宏の家で作ることに。


それなら私の親にもバレないし、宏の家の方がキッチン広くて綺麗だし。


幼馴染がいて良かった。







そして迎えた2月13日。


宏はサッカー部で帰りは遅そうだし、みんな予定があるみたいだから、ってことで宏の家の鍵を貰って入り込んだ。


材料がいっぱい入った袋を担いでキッチンにたどり着く。


「私ひとりで出来るのかな…」


去年は友達のマユと一緒にチョコ作りしたけど、今年はマユは新しく出来た彼氏に作るんだ〜ってウキウキしてたから声を掛けづらかった。


わったーに貰った本から抜粋して、クッキーと生チョコを作ることにした。


クッキー、か。難しそうだなこりゃ。




それから1時間──


いろいろ奮闘した結果、クッキーはレンジになんとか放り込み、生チョコを始めるところまでいった。


「え、私すごいじゃん、クッキー作れちゃったよ」


まぁ、まだ焼けてないけど。


「よし、次はチョコを溶かすからお湯を…」


沸かしたお湯をボウルに入れようとした時だった



ガタッ、


「熱っっ!!」


ボウルがひっくり返って大量のお湯が手にはねた。





「彩っ!」


その時、急に宏が帰ってきて部屋に入ってきた。


「おい、何やってんだよ!早く冷やせって!」


熱さで混乱している私の手をとって、蛇口の水に当てた。


「そのまんま冷やしてろ、今は氷出すから」


「はい……」




無言でザクザク氷を袋に入れる宏に


「部活、いつもより早く終わったの?」


と聞くと、「んなこと今どうでもいいだろ」って突き放された。



だから、「ごめん、」と謝ると、


「なんかやらかすと思ってたら、やっぱりこれかよ笑」


と今度は宏が笑って言った。



「あと50回くらい謝れ。人んち散らかして火傷して心配させた代わりに」



「私の心配してくれてんの?」


「どう?惚れた?俺に」


「全然、笑」



でも、ちょこっとだけ、幼馴染で可愛くてただのチャラい友達が、大人に見えたんだ。

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とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2020年3月22日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユナ | 作成日時:2020年2月27日 23時

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