好きって、誰を ページ39
みんなで飲んでいたら向こうの席で何やらわちゃわちゃしているみたいで、覗き込んでみると彩が何人かの人に取り押さえられながら大騒ぎしていた。
「私なんて先生の資格なんかないんですっ!私なんかっ、、」
「渕野先生、そんなことないから落ち着いて下さ…」
「やめてくださいよ、私なんかより中野先生の方がずっと優しいし、あそこにいるチャラ男なんかもっ〜と…」
ん?チャラ男って……俺?
酔っ払って顔を真っ赤にして叫ぶ彼女の姿は初めて見た。
「おい、彩いい加減にそこまでにしろって…」
自分がいた席を立って俺が彼女を抑えに行くと、
ゴンッ──
思いっきり頭をゲンコツで殴られ、一瞬立ちくらんだ。
「北山さん!!大丈夫ですか?!」
「あー大丈夫です笑 それよりコイツこれ以上放っておくと皆さんに迷惑かかりますんで、俺送ってきますわ笑」
俺は先生たちに挨拶をして、彩を外に引っ張り出した。
「ったく、、、今日の一件でお前この先の教師生活大変だぞ?」
タクシーを捕まえて一緒に乗り込む。
運転手に彩の家の住所を伝えて隣を見ると、彩は俺に寄りかかって「宏のバカぁ、ばかやろー……大っ嫌い…」と寝言を零した。
「あーごめんごめん俺が悪かったよ、頼むから起きてくれ、、」
彩の家の近くで下ろしてもらって、彼女をおぶって歩き始める。
すると、俺の背中の上で彼女が一言漏らした。
「…んなに、好きなのに……こんなに、、」
「ん?」
「……」
今、好きって言ったよな…?
好きって、誰をだよ。
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とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2020年3月22日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2020年2月27日 23時