熱 ページ35
「ちょ、宏?、」
体温がバカみたに上昇してる彼の体が、私の方へ倒れてきた。
「おおげ、さ…なんだよ、」
「大袈裟なわけないじゃん、こんな体熱いのに!」
バカだ。
アホだ。
いっつも人のことばかり気にして、自分の体を大事にしないんだから。
なんとか宏をベッドに連れていき寝かせた。
「薬は?飲んだ?」
「ん、、」
あら、これは飲んでないやつだ。
私はとりあえずお粥を作り、宏の元に持っていった。
「ひろ、お粥食べられる?食べないと薬が飲めないから…」
「ん、」
背中に手を添えて起こそうとすると、トレーナーが汗でぐっしょりだった。
「わっ、すごい汗…タオル持ってくる、」
タオルタオル、、あったあった。
濡らして絞って宏の服を脱がせて…ってここまでサラッとやってしまってたけど、ここ数年男の人の裸なんて見てない…のに。
「お前、脱がせ方雑なんだって…」
「う、うるさいっ、ほら拭くから黙ってて!」
「ごめん……」
何よ、なんでこんな素直になっちゃってさ。
「ずるいよ、」
「んん?」
「え?いや、ほら拭けたからお粥、食べて」
「…あ」
え?
もしかして口開けて私が食べさせるの待ってる感じ?
「あ、はい……どう、かな?味」
「……しょっぱ」
「しょっぱい?塩入れすぎたかな」
「お前…お粥に塩って笑」
「だって『お好みで』って書いてあったから」
「彩のお好みの量入れてどうすんだよ笑」
「ごめんってば、」
「ふっ、笑」
何かを思い出したように宏が笑った。
「どうしたの?気持ち悪い?しょっぱい過ぎ…」
「違う。彩の作ったもん食べんの、あの焦げたクッキー以来だなって」
「もう、だからクッキーの話はいいって笑」
なんだかんだ昔のクッキーも今日のお粥も完食してくれた彼は本当に優しい。
「じゃあもう夜遅いし、休んで寝て。私はお皿あらって帰るから…」
「待って」
まるでドラマのようだった。
顔がまだ火照って横たわる彼が、私の腕を掴んだ──
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とも(プロフ) - こんばんは!いつも楽しみにしてます!リクエスト大丈夫ですか? (2020年3月22日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユナ | 作成日時:2020年2月27日 23時