君を大好きだ (ページ27)

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モヤモヤページ27

再会してまさか数週間で彼氏の有無について聞かれるのは予想外すぎて、咄嗟に変な嘘ついちゃったな。

彼氏はいないど、いい感じの人はいる……って？

いないわそんなん。

けど、宏はいるんだ……。

なんとなくわかってた。

彼が気づいていなかっただけで、昔の宏はいつも周りの女子たちから黄色い視線が送られていたから。

結局、

｢今度俺んとこのジム来てみなよ、今なら無料で俺が専属トレーナーになってやるぞ？笑｣

なんて謎の勧誘と名刺を受け取り、家まで送ってもらってしまい、モヤモヤした気持ちだけが私の心に残った。

そのまた数日後のことだった──

今日は授業参観で子供たちの保護者が学校中に散らばって、私はド緊張。

なぜなら私はまだ先生としては新米な方で保護者には慣れていない。

けど、宏はやっぱり違った。

体育の時間、校庭で楽しそうにボールを蹴ったり走ったりして保護者の目を気にすることなく子供たちとじゃれあった。

けれど確かにちゃんとした運動をしていて、よく考えられたメニューだと親御さんたちからの声も聞こえてきた。

やっぱり凄いな、宏は。

無事に4時間の授業参観が終わり、子供たちお母さんお父さんと下校していった。

｢はぁ、、疲れた…｣

｢渕野先生、めっちゃ疲れてるじゃないですか笑これ、どうぞ｣

デスクで死んだように倒れていると、中野先生が栄養ドリンクを持ってきてくれた。

｢中野先生！…すみません、ありがとうございます｣

しかし、栄養ドリンクを見て目を輝かせてる私に、ふと気づけば痛いくらいに感じる視線が…。

｢びっくりした、宏かぁ…なんでそんな目で見るのさ笑｣

｢別に？｣

｢ふーん、これは私のだからあげないよ～｣

べぇ～っと舌を出してみせると、隣から

｢あら、2人ともそんなに親しい仲だったのねぇ？｣

と、先輩の女性教師の小泉先生にからかわれてしまった。

｢そんなんじゃ…｣

｢お、小泉先生、髪切りました？｣

そして彼女にすかさず媚びる私の幼馴染。

｢ええっ、なんで気づいたの？！さすが北山くん！｣

あーあ。媚びられても赤面してるよ先生ったら。

それを横目に私は

｢教室整頓して締めてきます｣と職員室を出た。