むかしのはなし ページ25
その日の給食の時間はまた更に賑やかだった。
｢ほらほら、男子たるものいっぱい食わんと大きくなれないぞ〜？笑｣
と残ったご飯が入った食缶を片手に子供たちに分け与えた。
｢え〜きたやませんせーちっちゃいじゃん！｣
｢うるさいっ笑 俺は地面にちょいとめり込んでるだけさ！ほら、男子皿出せい！｣
するとそれに続いて女の子たちも彼の後ろにお皿を持って並んだ。
｢お！女の子もいっぱい食べるといい女になれるぞ〜笑 よし、食べろ食べろ〜！そこの渕野先生もな、昔は大食いで…｣
急にいらんこと話出そうとするから
｢ちょっと、北山先生？｣
ピシャリと止めた。
だけど、そうやって子供たちとふれあう彼を見て思い出したんだ。
昔、私の家の近くに住んでいた宏は、近所の子たちを集めて公園で遊んでいた。
女子とか男子とか壁を作らず、まるで今のように全ての人を暖かく包む感じで。
何も変わらないなぁ……。
そんな彼に惚れたんだっけな、私。
｢じゃ、お疲れ様です！｣
中野先生に声をかけられ反射的に｢あっ、お疲れ様です｣と返した。
気づけばもう9時を過ぎていて、職員室には私1人だけが残されていた。
と、思ったのだが……。
｢先生ってこんな遅くまで残業なの？｣
パソコンのキーを打つ私の手元に缶コーヒーが置かれた。
｢宏、｣
｢ったく、もう9時だぜ？笑｣
｢…相変わらずチャラいなぁ、なんも変わらないね宏は笑｣
｢俺もそう思う笑 けど、お前もな｣
｢そう？笑 ……先生って思ったより大変なんだよね〜明日の授業の用意とかさ、私要領悪くって笑｣
宏が言った通り、私成長してないのかも。
｢んなことねぇよ、すげーもん。小学校の先生ってなんでも出来てさ……あ、彩の走り方はちょっとアレだったけど笑｣
｢何よ、しょうがないじゃん。でもあれで教員免許取れたんだからねー｣
｢まぁ、とにかく尊敬しかないわ、彩には｣
宏はそう言って缶コーヒーをすすった。
｢そうかな…。私は正直宏の方がすごいと思ったよ。今日だってまだ会って間もない児童たちとあんなに仲良くなってさ…｣
｢ま、それは俺がコミュ力モンスターだから笑｣
｢何それ笑 ……よし、終わった！帰れる！｣
｢じゃあ一緒に帰ろ、途中まで｣
｢え？あ、うん…｣
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とも(プロフ) - こんばんは！いつも楽しみにしてます！リクエスト大丈夫ですか？ (2020年3月22日 0時) (
レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年2月27日 23時
