検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:21,445 hit

彼が現れた理由 ページ9

全くわからない。



なんで宏が、車椅子で、仕事の打ち合わせに来た私の目の前に座っているのだろうか。


居ても立っても居られなくて彼に聞こうとした。



「ねぇ、」

『ごめん』

「え?」

『ずっと連絡してなくて』

「あぁ、うん。」

『待ってた…?』

「別に、」




『そっか笑 俺さ、大学スポーツ推薦で入ってすぐ事故にあってこんなんなって、記憶もよくバーって飛んじゃうんだよね笑』


『んで、選手としても使えないし、勉強もイマイチだったから大学やめて他のとこ受けなおした』


「そう、だったんだ、」


『でもこんな体だしなかなか就職雇ってもらえなくてさぁ、、カメラマンになった笑』





待って、追いつかない。



連絡がつかなくなって、私が彼を忘れようと努力していた時に、彼はずっと苦しんでたんだ…。



『なんか嬉しいわ、一緒に仕事できるなんてな笑』



そう言って彼は笑ったけど、今何を思ってるんだろう。





『ほら、コーヒーもきたし、ちゃんと仕事の打ち合わせしてくれよ、担当さん笑』


「あっ、ごめんなさ…」


『俺とはタメで、な?笑』


「あ、うん。わかった、」


それから簡単に打ち合わせをした。





『じゃあ、一緒に旅行できんの?!』



「いや、そうだけど…」



『ハハッ、心配すんな笑 俺こんなんだけど』



お店から出た時はもう外は暗くなっていた。



「じゃあ、ここで」

『お、じゃあまたな笑』

「うん、」



そう言ってお互い分かれようとした時だった。


宏が『A』と私を呼び止めた。



「ん?」


『俺を好きになったこと、忘れろよ?笑』


そう笑い言い放って彼はまた車輪を動かして帰った。





そっか…。



もう私たち仕事上での関係でしかないんだ。



宏も私のこときっと忘れてたよね…。



ぼーっと彼の背中を見送っていたら太輔から電話が来た。



〈あ、もしもし今どこ?〉

「えーっと、会社の近くのカフェ出たとこ…だけど」

〈じゃあそこから近いとこのレストラン送るから来れる?〉

「うん、すぐに行くね」




電話を切って、私は駅前のレストランに向かった。

あの時と同じ→←再会



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (44 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
125人がお気に入り
設定タグ:Kis-My-Ft2 , 藤北 , 北山宏光
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ユナ | 作成日時:2019年12月10日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。