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もう一度 ページ29

目を覚ますと私は病院にいた。



「…ん、」



〈A、!良かった…具合はどう?〉



「私、どれくらい寝てた…?んん、、なんか首が痛い…」





〈一日半。ったく、だから無理すんなって言ったろ…〉



「心配かけてごめん…。」



〈もう1人、心配してたやつ、いるけど〉



「…え?」



太輔がベット脇のテーブルに目をやった。



見ると、そこにはあの日宏に渡したお弁当箱と、、




「これ…って、、」




キーホルダーを見た瞬間、涙が溢れ出た。




〈あいつ、お前のこと忘れてなんかないよ。ずっと心配してたし、お前のこと待ってる〉




「宏、記憶無くしてなかったの…?」




〈ん、。全部お前のため笑〉




嘘……だったの、、?




〈10年前のあの日、あいつ俺に頼み事なんてしてさぁ、〉




「頼み事…?」




〈あぁ。北山がいない間、俺にAのこと守ってくれ、って。絶対迎えに行く、それまで頼む、ってさ笑〉




〈あいつ来んの遅せぇよな、ったく笑〉




太輔はベッド脇に座って私の手を握った。




「そろそろ、幸せになってくれないと、俺も次に進めないんだけど?笑」




太輔はいつもかっこよかった。




「いつもね、太輔には感謝してた。気にかけてくれてることも、守ってくれてることも、全部。だから、私には太輔を幸せにすることは出来ないけど、幸せになって欲しいって、いつも思ってる」




「ありがとう…」




こんな素敵な幼馴染は、きっと世界中のどこを探してもいない。




〈体力戻ったらさ、すぐ行ってやれよ〉




「うん、」



〈ちゃんと化粧していくんだぞ?お前すっぴんブサイクだからな笑〉



「もう!笑」


太輔は、ははっ、と意地悪そうにでも愛くるしく笑ってみせた。

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作者名:ユナ | 作成日時:2019年12月10日 10時

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